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アイルラウンド恋物語  作者: KC
高嶺の花
2/8

決闘

静寂に包まれた食堂の真ん中で私が手袋を拾うとした瞬間…


「貴方はどこまでいっても民の味方なのだな。」


その男私の耳もとでそう告げてあろうことか手袋を拾い宣言する。


「この決闘は俺が彼女アイナ・クラフト公爵令嬢の代理人なる!

我が名はルドガー・ビルクード!」


今まで見たことのない男が宣言する、食堂の全員が一斉に心の中でツッコミを入れる「誰だよお前!」しばらく私は呆気に取られて頭が回らず立ち尽くしてしまう。


すると騒ぎを聞きつけた教師や生徒達が更に集まるなかに第二王子ので入学したばかりのグレン王子も駆け付ける。するとルドガー王子は


「兄上、この騒ぎは何事ですか?」


ケリー王子は黙り込んでいたが王子の取り巻き達がことの経緯を説明する。


「アイナ様兄いえ王家として謝罪致します。大変申し訳ありませんでした。」


グレン王子が深々と私に向かって頭を下げる、第二王子とはいえ王家ものが下の者に公然の前で謝罪する事態に流石に正気に戻った。


「頭を上げてくださいグレン王子今回の件は私にも責任がありますから…」

私は焦ってグレン王子に言った。


「今回は兄上が全面に悪いのです。婚約を解消するにも他に方法はありますし、最終手段として使うならまだ同情の余地もあるのですが初手がこれですからね。」


グレン王子は大きなため息をついてどっと疲れた表情が同情しか出来ない。続けてグレン王子は


「問題は決闘の方なんですよ。決闘は手袋を本人または代理人が拾った時点で成立します、王家でさえ決闘を中止させることは出来ないんですよ。学生なことを考慮して木刀による決闘で死傷者を出さない位は出来るんですけど…」


私は思い出したようにルドガーと名乗る少年を見る、身長は私より10センチ位大きい170センチ位の可愛い少年って感じの男の子青いネクタイを着けてるって事は一回生だ。


私は急いで駆け寄りルドガー君に謝罪した。

「大変申し訳ありませんでした。決闘は成立して仕舞いましたが今なら代理人を降りられると思います。

この決闘は私が出ます!だから貴方はケリー王子に謝罪して代理人を降りて下さい。」


するとルドガーは満面笑みで一言。

「嫌だ、俺tueeeeから」


コイツ頭大丈夫か!?なんて思ったけど流石に私のせいで怪我させたら目覚めが悪すぎる…

「ケリー王子は勉学はアレだけど剣術は王家始まって以来の天才って言われてるのよ、騎士団の中でも勝てるものは団長と副団長しかいないの貴方じゃ無理よ。だから、お願い…」


「嫌だ、俺tueeeeから」


「ふざけないで、本気で言ってるのよ!」


「俺が負けたらあんたに都合が悪いのか?」


「目覚めが悪いじゃない!」


「なら問題ない俺は絶対に負けないからな!」


「この決闘が勝とうが負けようが婚約は解消だし私は良くて手切れ金をもらって勘当、最悪は修道院送りよ。貴方に差し出せる物なんて何にも無いのよ。」

自分で言っていて悲しくなる。


「じゃあ!代わりにでたらなんてセコいことは言わないが、俺が勝ったらあんたは俺と婚約しろ俺は留学組だからこの国の法律や慣例は関係ないし最悪本国に戻ればいいな。」

って言ってルドガーは笑った。


「わかりました。婚約は約束出来ませんがせめてもの報いに貴方に忠誠を誓います。だから生きて下さいね。

世界中あんな状況の私に手を差し伸べるバカは貴方ぐらいしかいないしね。」


「だから俺tueeeeって言ってじゃん。」


グレン王子が申し訳なさそうに

「話は終わりましたか、今回の決闘は第二王子の私グレン・アイルラウンドが立会人を勤めさせて頂きます。

決闘は本日放課後4時より行います。双方宜しいか?」


私とルドガーとケリー王子が頷く。





~放課後4時~


決闘は想像以上いや想像道理大事になっていた、当事者達の家族は全員が来ていた。


まず王家のアイルラウンド国王陛下ゲイリー・アイルラウンド。


第一王妃でありケリー王子とその妹二人の三人子を持つ、カリーナ・アイルラウンド。


第二王妃でありグレン王子とその妹一人の二人子を持つ、ビビ・アイルラウンド


王家は全員集合、国王陛下は頭を抑え青い顔をしている、当然ちゃ当然だろけど…


そして我が家からは父の当主アーノルド・ソレーユ公爵。


母のユーナ・ソレーユ


兄であり次期当主であり騎士団副団長のトーラス・ソレーユ


心配そうに見つめる母と怒りに震える父と兄恐怖で私はもうそちらを見ることが出来なくなった。


リリアナの家から当主ポール・クラフト


他の貴族達は王家の手前野次馬は出来ず屋敷で学園に通う子供達の報告を待つって感じだ。


生徒達は私同情する者が大半だが強硬派の貴族の子供達は色んな意味で必死に王子を見つめたり拝んでた。


留学生って言っていたルドガーの知り合いはいないようだった。

そう言えば出身国を聞いてなかったな。


校庭に急遽作られた闘技場の真ん中にグレン王子が立つ両脇にルドガーとケリー王子二人は何か話していたようだがそれぞれたち位置に向かう。


グレン王子は開始の合図を告げる。

「これより決闘を執り行うルールは学生ということを考慮し相手を殺さない事する、尚魔法の使用は禁止魔力を抑えるアイテムを装備して行う。

ケリー・アイルラウンドとアイナ・ソレーユの代理人のルドガー・ビルクード決闘を開始する両者準備はいいか?」


頷くケリー王子とルドガー。


それを確認したグレン王子。

「それでは始め!」


結論から言うと戦いは一瞬だった、開始早々木刀を振り下ろしたケリー王子の木刀ごと殴りへし折りながらルドガー拳がケリー王子の頬を捕らえた。

ケリー王子は三回ほど縦横に回転して地面に叩きつけられた。


会場にいた国王以外全ての者が驚きを隠せなかった。そして皆一斉に。

「オメェtueeee」

声を上げた。


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