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おっさんは、異世界で貴族に転生した。属性はマザコン?(仮)  作者: 多田野風太
1章 転生と新しい家族
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6 赤ん坊の日常

削ったところで必要な部分をつなぎ合わせました。

分かりにくいと思います。



朝食後、みんなで剣の鍛錬、その後ママンと父さんは執務、姉兄は祖母ちゃんと勉強する。


俺は稽古後ママンにお乳をもらって執務室のソファーでお休みする。


オットーがやってきてママンに話しかけた。


「奥様、昼過ぎに名主のフリッツが今年の作付けについて相談したいそうですが…」


「あらあら、まだ決まってないのかしら?わかりました。午前中に案を考えときますわ。カールにも同席するよう言っといて。開墾の予定もあるでしょうから…」


「はい、カール様とフリッツに伝えておきます。」


今日の予定がまとまってオットーが一瞬ほっとした顔をのぞかせた。


この国では継承権は女系にあるようだ。


国王も女王で、領主も女性、爵位も女性が継ぐものらしい。


男は入り婿として領地経営に携わるようだ。


お腹いっぱいなので、腹ごなしの魔力操作の練習をしていたらすやすや眠ってしまった。


気が付くとお昼を過ぎていた。


てっきり寝室でお留守番かと思ったら執務室でママンの横のソファーに寝かされていた。


扉をノックする音と共にオットーの声がつげる。


「フリッツが参りました。」


「通しなさい。あとカールを呼んできて」


「畏まりました。」


老人が入室してきて恭しく一礼するとあいさつの言葉を述べる。


「失礼します。若奥様、この度はご出産おめでとうございます。元気な男の子と言うことで領民一同心より喜んでおります。」


ママンは俺を抱き上げフリッツに見せる。


「次男のジークフリードです。ちょっと変わったところもありますが元気に育っています。他の子供共々よろしくお願いしますね。」


「この方がジークフリード様ですか、聡明そうなお顔立ちでシュタート領もますます発展していきますな。」


「そうだといいのですけど…」


俺は自分の名前がジークフリードだと初めて知った。


むむ、金髪の幼馴染をかばって死んでしまうなんてことはないよな。


扉をノックする音と共にオットーが声をかける。


「カール様がお見えになりました。」


「二人とも入って」入室の許可を出すママン。


「フリッツご苦労様」


「とりあえず、みなさん席に座りましょうか」


ママンが着席を促し、三人が席に着いたところでメリザがお茶を入れて回る。


お茶に口をつけてママンが確認する。


「小麦とライムギの生育具合はどう?」


「午前中見て回ったけど順調だね!」


父さんが答える。フリッツも同意見らしく頷いている。


「冬穀の収穫の後、大麦は大丈夫かしら?」


「今春は温かいですし、冬穀の収穫も早く見込めそうです。問題ないと思われます。」


フリッツが答えると、ママンが満足そうに頷いた。


「新しい開墾地の方はどうなのかしら?」


今度は父さんに向かって確認するママン。


「そっちは冬の間に森の伐採はすませているから、風の弱い日に火を放つよ!風と水の魔術が得意な者で早いうちに焼畑を行なって、ソバやキビなどの雑穀を蒔いておけばいいと思う。」


父さんの答えに同意するようにオットーが頷いた。


「オットーを中心に人員の調整をお願い。カールは責任者として工程の管理をきちんとやってね。」


ママンは二人に支持を出し、次の確認をする。


「塩や鉄器の在庫はどうなの?」


領内では生産できない物の在庫状況を確認する。


「秋まで特に問題ないと思われます。」


オットーが答える。


「来年は、ユリウスの洗礼式ですし、夏にでも王都に行かなければいけません。まだ時間はありますが必要な物のリストアップをお願いします。あと薬草や毛皮などの売れそうなものも集めといてください。」


「「「分りました」」」


そして領内の地図を出し具体的に作付け計画を話し始めた。


たまにママンが俺をあやすために抱き上げてくれる。

 

地図を見ると色んな情報が載っているので覗けるのは非常に助かる。


文字は分らないが会話から想像できる範囲でも十分有用だ。


シュタート領領内には二つの村がある。


領主の館があり一キロメートル四方を木柵に覆われた一の村は、人口が4百人位生活し、教会、鍛冶屋、薬屋、雑貨屋、食事処、自警団等の主要施設がある。入植者も古参の者が多く農産物の収穫も比較的安定している。


もう一つは、川沿いに南に一時間程歩いたところにあり、五百メートル四方を木柵で囲んだ二の村で、人口は二百人程いる。ここ二十年で拓いた新しい村で住民も若い者が多い。


二の村を中心に川沿いに南に三の村を作ろうと森林を伐採し開墾をしているところである。


細かい確認をしながら支持をだす、ママンはやり手の管理職みたいだった。実際社長みたいなもんなのだけど……


◇◇◇


俺は執務室でママンと一緒にいたり、姉兄たちの遊ぶのをサラやニーナの腕の中から覗いたり、リーゼ姉が読み聞かせてくれる絵本を覗き込んで字を覚えたりしていた。


あるとき本に触れる機会があったので、ふと『紙の種類はなんだろう?』と魔力を纏って本の紙に触ってみた。


すると目の前にゲーム画面があるような感じで『羊皮紙』と表示された。


久々に驚いたが、もしかすると『鑑定スキルかも?』と思い、片端から同じ要領で触ってみた。


布、木、石、壁、床、ベッド、自分も調べてみると人族 ジークフリード・フォン・ミュラーと表示された。


あまり使えなかった。


ちょっとがっかりしたが、LVUPする可能性を信じて積極的に使うことにした。


あるとき壁の向こうにママンの気配と言うか魔力があるのを感じた。


しばらくすると気配と共にママンが部屋に入ってきた。


『他の人の魔力の違いも分かるかな?』と気を付けていたら何となく家の中なら誰が何処にいるのかわかるようになっていた。


『これって魔力感知スキルじゃない?』と思い、常時使って熟練度をあげることにした。


他には4ケタの数字を思い浮かべ四則演算を使って答を1にするとか、暗算をして高速演算スキルを覚えないかとか色々やってみている。


魔力感知を広げてマップを作れないかもトライしてみた。


失敗したことは、森の中で魔力感知をしながら鑑定を行ってみた時だ。


一瞬であふれかえる『虫』『虫』『虫』『ネズミ』『鳥』等の画面表示と、同時にひどい頭痛が襲い意識を失ってしまった。


散歩に連れて行ってくれたサラがパニックになって家に飛びかえり大騒ぎだったと聞いてかなり反省した。


しかし、その後も懲りずに、ただ闇雲にトライ&エラーで色々やっている。


できればきちんと本を読んだり、先生についたりして魔法を学びたいと思っているのだが赤ん坊には無理な話だろう


『人生はままならない。』そんなに大げさなもんじゃないけどね!


読んでくださってありがとうございます。



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