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おっさんは、異世界で貴族に転生した。属性はマザコン?(仮)  作者: 多田野風太
4章王都は怖い?怖い!
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35 騎士団長

 


 皆の頑張りで次の日の昼には出発準備が終わり王都を出発した。


 王都の門を出てしばらく進むと化け物が待っていた。


普通の騎士二人と一緒に…


 厳つい体格、身長は2メートル近い。


 何物にも動じない巌の様な男だ。


 軽装だが背中にバスターソードを背負っている。


 親父が持っているのより一回りでかいがこの人なら軽々と取回すだろう。LV65。


 馬も立派な馬だ。ラ○ウの愛馬黒王○を思い出すような馬だ。


 側に男女が一名ずつ。


 男の方は線が細そうだが身のこなしは騎士と云うより盗賊という感じ。


 かなりのイケメンで爆発しろと言いたくなった。装備は弓矢にショートソード。


 女は槍を持っている皮鎧にプレートを仕込んだ冒険者だと重装備になるだろう。


盾も馬に乗せている。


 赤い髪を短く切って人懐っこそうに笑いながら手を振っている。


 ちなみに男がLV50、女がLV47かなりの手練れだ。


 この人が近衛騎士団長か?と思いながら様子を窺うことにする。


 全員顔見知りらしく、ごつい人がアルベルト・フォン・プロイセ近衛騎士団長。


 優男がヤーコプ・フォン・ダウム近衛百人長。父さんのもと同僚だ。


 赤毛の女性はジルヴィア・フォン・ヴォッケンフース近衛百人長でママンの友人らしい。


 騎士団長が話し始めた。


「お久しぶりです。バルト男爵、カールとマリーも息災そうでなにより、オットー相変わらずカールに振り回されているそうだな。ふふふ」


 キランと歯が光る。ゴツイのにイケメンだった。


「面白そうなことをするそうだな。Aランク魔物を狩って回ると聞いた。私を仲間外れにするとは酷いではないか?」


「いやいや、団長。Aランク魔物を狩って回るって自殺行為ですよ!今からでもやめましょうよ!」ヤーコプが愚痴る。


 その話を聞いてモース達冒険者が後ろで凍り付いている。


「はっはっは。もう後戻りは出来んぞ。ヤーコプ!これは女王陛下からの勅命だ。あきらめろ。」


 全員が驚きの顔を見せる。モース達冒険者は石化した。


 ママンにお願いして話してもらう。


「騎士団長この旅の間のことは女王陛下にも他言無用でお願いしたい。そうでなければ同行は認められない。三人で最短距離を向かわれるがよいでしょう。暗殺者共も騎士団長には手は出せないでしょうから…それが一番早くて確実ですわ。」


「あい分った。他言無用にしよう。」


 取り敢えず挨拶することにした。


「では、ジークフリード・フォン・ミュラーです。心強いです騎士団長殿。騎士の皆様よろしくお願いします。」


「ふっはっはっは!この度の策はジークフリードの策か?なかなか楽しめそうだが、その方ついてこられるのか?」


「騎士団長。ジークとお呼びください。Aランク魔物との戦闘時には魔力枯渇を起こすかもしれませんが足手まといにはなりませんよ!」


「ジーク。言うではないか?実力を試してみたいのだが…」


「魔力と時間の無駄です。父と母が生きているのは僕が居たからと言えば信じてもらえますか?」


「にわかには信じられんがそうなのうだろうな。」


「ママン弓矢貸して!」


 弓矢を受け取り、矢を番えて正射する。


「さて、オークがいますから行きましょうか?」


 そう言うとママンに馬車を出してもらう。


 そして俺はファイアーボールを五連射した。


 みんな胡乱げな顔をしながら馬車についてくる。


「イリスさん五百メートル先にオークの死体がありますから回収願います。」


「ヤーコプ殿もご一緒していただければ助かるのですが…」


 二人並んで馬をかけて行った。


 一頭は矢で頭を射ぬかれ、五頭はファイアーボールで焼かれたオークの死体が森の中に転がっていた。魔石だけ回収して後は土魔法で埋めて置く。


「騎士団長いかがですか?まだLV10に届きませんが旅が終わるころには30には乗っていると思いますよ。生きていればの話ですが…」


「ふっはっはっは。こちらが失礼した。これからの旅が楽しみだ。しかし、無茶はしないでくれ、王国の宝となる人物をここで磨り潰してしまう訳にはいかん。」


「お約束は出来かねます。ここにいる大事な人たちを守るためなら命くらいは掛けますよ!しかし、負ける賭けをするつもりはこれっぽっちもありませんがね。騎士団の皆さんのお蔭で全員無事帰還できる確率が九割以上になりました。どうかよろしくお願いします。」


「それは重畳よろしく頼むぞ。」


 ◇◇◇


 その後も、ゴブリンやブラウンボアなどの弱い魔物はいたが、無理して関わらずに宿場町にとまり順調に旅を続ける。


 二日目も日が沈みかけた頃前方一キロメートルの所にBランク魔物が十匹ほどいた。


「前方十一時の森の中にBランク魔物十匹発見。多分ブラックウルフ十頭だと思います。

 騎士団長、父さん、ヤーコプさん、ジルヴィアさん、ママン、俺で狩りに行きます。

 ママンと御者を変ってください。」


 馬を駆けて暫く進むと右の森から五頭のブラックウルフが躍り出てきた。


「騎士団長、父さん五頭を抑えてください。左の森から二頭隙を窺っていますからヤーコプさん二頭とも仕留めていいですよ。ジルヴィアさん二頭が馬車を狙いに行きました。連携して仕留めてください。ママンは騎士団長と父さんの牽制をお願い。俺はリーダーを撃つから。」


 そう言ってウインドカッターの詠唱をして魔力をそこそこ込めて後方で支持を出しているリーダー格のブラックウルフの首を木ごと刈り取る。


「人使いの荒い坊主だなぁ」愚痴っているヤーコプさんだがあっという間に一頭射殺した。


 リーダーがやられて連携を崩した隙に騎士団長が一頭、父さんが二頭仕留める。


 父さんが斬撃を器用に使っている。すごい、すごいと感心した。


 アイスニードルで俺が、ファイアーニードルでママンが一匹ずつ仕留めて残り三匹だがヤーコプさんとジルヴィアさんと祖父ちゃんが一匹ずつ仕留めて全部倒し終わった。


 取りえず魔物を集めてもらって、収納魔法で回収して水場まで行って野営することにする。


 冒険者の皆さんには悪いが魔物の解体をお願いして交代で休むことにした。半径一キロメートル以内に魔物はいない。


 空が白むと同時に解体した素材を馬車に乗せすぐ出発する。ちらちらとCランク以下の魔物がいるが無視して先を急ぐ。


 午前中にブラッディーグリズリーを狩ってしまいたい。


 十時を過ぎた頃、ブラッディ―グリズリーを発見した。五百メートルほど森に入ったところで休んでいる。


 馬車と馬を冒険者に任せて残り全員で散開しブラッディ―グリズリーを取り囲む。


 俺は後方で気○斬を用意して待機する。


 いつもの立ち上がって威嚇咆哮を上げた所を後ろから気○斬で首チョンパした。


 全員顎が外れるぐらい大きな口を開けて唖然としていたが魔物の死体を収納魔法で回収するとさらに固まってしまった。


「ママン抱っこ」


「はいはい。しかたないわねー甘えん坊さん。」とかやっているとみんなの意識が戻ってきたのですぐ出発することになった。


 その時にお願いしてママンにお乳を貰って馬車の中で一寝入りすることにした。


 夕方にはもう一匹ブラッディ―グリズリーと接触するはずだから慎重に行きたい。


 今回はママンとメリザのためにも五日も寝込む訳にはいかないからね!


読んでくださってありがとうございます。

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