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おっさんは、異世界で貴族に転生した。属性はマザコン?(仮)  作者: 多田野風太
3章 都会は楽しい?それとも…
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27 魔法の練習?

 


 ケルンブルクを出てすぐ位から魔法の本を読み始めた。


 本によると、魔法が使えるかどうかは、洗礼式の時に加護があるかないかで確認するらしい。


 命の神の加護があれば魔法適正あり、適性があれば実際に呪文を詠唱して魔法を使って魔力を確認する。


 始めは魔力操作ができないので補助として魔道具を使ったり、魔石を握りこんで呪文を詠唱する。


「火よ灯れ」「水よ湧け」「風よ吹け」「土よ盛れ」「光よ輝け」「闇よ纏え」などだ。


 それぞれの神の加護を持っていると発動し易いらしい。


 魔法が発動する時に魔力が体の中を流れる感覚が解る。


 この感覚を基に魔力を意識的に体内で動かしてコントロールすることが魔力操作の第一歩となる。


 動かしている魔力を手の先などに集めて呪文を詠唱すると補助具を使わないで魔法が発動できるらしい。


 呪文いわゆる言葉にも魔力が宿るので詠唱することにより魔法式が構築され発動される。


 確かに前世でも言霊とかいうし言葉にも力があるのだろう。


 呪文と同じように文字や記号にも魔力が宿るので、文字や記号により魔法式を構築できるらしい。


 色々なものに魔法式を刻んで魔力を通して使う便利道具が魔道具だそうだ。


 前世のラノベでよく聞いた刻印魔法と言うやつだろう。


 魔力とは生命力であり生命エネルギーなので使えば消費する。


 体内に蓄積された魔力を使いすぎると気絶したり、無理やり限界を超えて消費し尽くすと命を落とすこともある。


 命の力を使うのだから使いすぎたら死ぬよね!


 うん!気をつけなくちゃ!俺、夢中になると周り見えなくなるから…


 って結構やばいことやらかしてる?


 消費した魔力は徐々に回復するが睡眠や休息によって回復速度が速まる。


 魔力の消費量が多いとそれを補うように体内に蓄積できる量も増えていく。


 また体内の魔力をお腹に貯めるイメージを持ち魔力貯蓄器官を大きくすることにより少しずつ蓄積量も増えるらしい。


 ただ、俺には魔力器官が大きくなるって言うのが良く分らない。


 丹田に魔力を圧縮してため込む感じなんだけど…


 ぶっちゃけると便秘の時に便所でうんうん下っ腹に力を入れて気張る感じ…


 ま、その辺はママンと摺合せしよう。


 魔力操作は魔力を自在に動かす能力で体内を循環さすことにより向上する。


 知力が高いほど魔力操作の上達速度もあがる。


 魔力操作が向上すると体外に魔力を放出することもでき、これを応用して魔力によるシールドを構築することが出来る。


 魔力操作は魔法をコントロールすればするほど向上していく。


 魔力操作が向上し魔力を込める多さを変えると魔法の強さも変わってくる。


 たとえば火を灯す魔法でも、込める魔力が少なければ灯る火は小さく、魔力を多く込めれば大きくなる。


 あと、魔法を使うときにはイメージすることが大切だそうだ。


 詠唱は発動の起点となるが魔術式を構築するのは人のイメージ力らしい。


 より強くイメージするために詠唱を行うので、上級者になれば魔力操作をきちんと行いイメージがしっかりしていれば、トリガーとなる呪文名を発することで魔法が発動できるようになるそうだ。


 うん、俺はもう魔法上級者みたいだ…これも前世の漫画やラノベやアニメのお蔭だ。


 感謝。感謝。


 魔物などを倒すことによりLVが上昇する。


 LV上昇に伴いステータスと呼ばれる体力や魔力、筋力、知力、器用さ、素早さ、耐久などを数値化したものが増加していく。


 魔法とは違って魔力を用いてスキルを使用することが出来る。


 感知スキル、剣術スキル、鑑定スキルなどがある。


 スキルは努力によって獲得できるものと、生まれつき獲得できるもの、一定条件を満たせば獲得できるものなど様々で色々研究されている。


 常時発動型のスキルは総じて魔力消費量が少ないものが多いのだが、発動すと多量に魔力を消費するものもあるので注意が必要である。


 詳しくはスキル入門書を読むことにする。


 とにかく、何をするにも魔力が多く、魔力操作が巧い方がいいので普段からの修練が大切だということで終わっていた。


 ざっと確認したのはこんな所である


 大体がラノベ設定のデフォだった。


 ◇◇◇


 知識は得たのだが、旅の間俺は土魔法の練習はしていたが、他の魔法については一切やっていなかった。


 はっきり言って目立つからだ。


 炎の魔法は火事になるし、水の魔法は水浸し、光の魔法はまぶしいし、風の魔法も加減が分からない。とにかく自重していた。


 しかし、王都に入る前に魔法の練習はして置きたい。魔物も増えてきた。


 いつ何があるか解らないのだ。


 土魔法は練習してきた。こっそりと…


 でもなんか最近コソコソするのが面倒臭くなってきた俺。


 取り敢えず、入門編の魔法を昼飯の後に使ってみた。


 炎、水、風、土壁、光、闇、全部できた。闇が良く分らない。黒い靄が出来た。


 上位にダークボールってのもあるし重力系か空間系、召喚系かもしれないし…


 要検証でってことで置いとくことにする。


 皆目が点になっているが放置していると、


 ビアンカ姉がテトテト近づいてきた。


「ジーク魔法使えるの?」


「あーい」


「ビアンカも使いたい!」


「ママンのまねた」


「ママンに教えて貰ったの?」


「あーい、あと、ご本」入門書を手渡す。


 目を輝かせ本を受け取りママンの所へテッテッテッと走っていくビアンカ姉


 それに続いてユリウス兄もママンの所に走って行く。


 二人から質問攻めに合うママンがこちらをジト目で睨んでくるが無視無視。


 次はファイアーボール、アイスボール、エアーバレット、ロックバレット、ライトボール、ダークボールをちょっと離れた地面に向けて発動する。


 込める魔力は最小限で声に出さずに詠唱してみる。


 詠唱すると自然に魔法のイメージが湧いてくる。


 なるほど、アカシックレコードというやつに接続しているのかしら?


 鑑定とかもそうなのかもね?


 ということは魔法にも熟練度がいるのかしら?


 色々と疑問と雑念が持ち上がってくるのを棚上げして、初級呪文をガンガン詠唱していく。


 魔力を込めるのは最小限だ。


 周りを更地にしたころ引き攣った顔の冒険者達が出発を促した。


 ◇◇◇


【冒険者達の声】


 アスト:「どうして赤ん坊が、魔法使えんだよぉ。エルザ」


 エルザ:「私に聞かれても解んないわよ~」


 ピルネ:「年齢詐称?」


 アスト:「な訳あるかよぉ~見た目まんま赤ん坊だろうが!」


 イスト:「メリザさんは今年の春に生まれたばかりだって言ってたわよ。」


 ピルネ:「魔力操作完璧!」


 エルザ:「魔力量もハンパなくおおいのよ!判るでしょ?ピルネ」


 ピルネ:「ハンパない!化け物?」


 モース:「わっはっはっは!化け物てか?かわいい化け物が居たもんだな。」


 イスト:「でも奥様とコソコソ話してるわよ。魔物の位置とか獣の位置は多分ジーク坊ちゃんが知らせているわ。」


 アスト:「マジかよ!春に生まれたってことは3,4,5,6,7,8生まれて半年で喋ってるのかよ?あっ、歩いてたよな!」


 イスト:「うん!喋って、歩いてた。探知索敵能力も私以上。1キロメートル位あるよ。」


 全員 :「―――」


 エルザ:「きゃー!ねえ!ねえ!あそこ見て!」


 ピルネ:「属性魔法の大特価?」


 アスト:「おいおい。地形変わってるじゃねーか!」


 モース:「いいか!俺たちゃこの旅の間、何にも見ちゃいない!特にジーク坊ちゃんについては何にもだ!解ったな!」


 他全員:「おお!」「ええ!」「わかった!」「了解!」


 ◇◇◇


 慣れっこのママンとメリザはユリウス兄とビアンカ姉につかまって魔法の講義を強要されている。一応魔力操作のコツはママンに伝えてある。


 リーゼ姉もウォータで水球を作って形状を留める訓練を始めている。


 それから馬車の中では魔法の訓練が始まってしまった。


 ちょうど冒険者の魔道士がいるので子供は挙って教えを受けていた。


 ママンとメリザに押し付けられたのは言わずもがなである。


 そのうち休憩時にはビアンカ姉とユリウス兄によるファイアーボールの乱舞が飛び交い、消火にリーゼ姉と俺のウォーターボールが飛び交うようになるのに1日も掛からなかった。


 ゴブリン退治に家族みんなが参加するのに二日かからなかったのにはびっくりした。


 姉兄のレベルが1ずつ上がったのだからすごいものだ。


 こっそりニーナも練習を始めている。


 ユリウス兄は魔力を筋力強化に使えることに気が付いたみたいで、刃引きの短剣を難なく振り回すようになっていた。


 本人の希望通りの結果が出ているようで嬉しそうである。


「俺たち必要なの?」そんな様子を見て冒険者達が囁いていたが断じて俺のせいではない。


『人生がままならないだけなのだ!』


読んでくださってありがとうございます。

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