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おっさんは、異世界で貴族に転生した。属性はマザコン?(仮)  作者: 多田野風太
1章 転生と新しい家族
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3 家族紹介

 

 朝、目を覚ますとゆるふわブロンドの碧眼美人が隣で寝ていた。


 ママンのマリーである。

 

 ママンの隣では、カール父さんが眠っている。


 髪、瞳ともにブラウンでサラサラの髪は耳にかかる程度で自然に切られておりナチュラルなウエーブで流されている。


 季節は春のようで朝夕は少し寒いが昼間はぽかぽかあったかい。


 外が明るみ始めると外でごそごそ音がし始める。水汲みや朝食の支度だろうか?


 朝陽がでてきたころを見はからい。ママンをごそごそ触って起こす。


 ちょっと眠たげに目を擦りながら瞼を開くママン。ゆっくり起き上がり大きく伸びをして、俺を見て話しかける。


「あらあら、もうおきたの?うふふ」


あう(うん)おああうーあぁ(おなかすいたぁ)。」


「お腹すいたのかしら?おっぱいのむ?」


「あいいー」にぱっと笑う俺。


 ママンが胸ポロンして優しく抱き寄せてくれる。


「ちゅう、ちゅう、ちゅう」やっぱりきれいだなーと思いながら、お食事をいただく。


 奥のベッドでカール父さんが起きあがる気配がする。


「おはよう。マリー。よくねむれたかい?ジークも、おはよう。今日も元気そうだね。」


 と挨拶してくる。


「おはようあなた。」ママンは視線を返して、「うふふ」と笑っている。


「先に行くよ」父は手早く服を着ると階下に下りて行った。


 実はこの部屋にはもう一人眠っている人物がいる。


 次女ビアンカ(二才)である。


 金髪をツインテールにし、大きな瞳は濃い藍色をしたとてもかわいい美幼女だ。


「あたちが、おねーちゃんなの!はやくおおきくなるの!」といってとてとてと俺のそばに来ては頭をなでてくる。


「あうあうー」と手足をばたつかせると、「きゃっきゃ」とはしゃいでくれるので、ほんわかして一緒にはしゃいでしまう。


「おねーちゃんになったから、一人でねるの!」といって別室で寝ようとしたが、

「さみちぃーのぉー」と夜中に泣きながらママンのベッドに帰ってきた。

 それ以降一人で寝るのはあきらめたみたいだ。


 そんなビアンカ姉さんだが、まだ早朝で朝ごはんまで時間があるからもうしばらく寝かせて置くみたいだ。


 食事が終わった俺はママンの胸を離れベッドに横になると、手足をばたつかせたり、寝返りをうったりしながら簡単な運動をする。


 ママンはその間に着替えて髪を梳かし、階下に降りていった。


 暫くすると、扉から黒髪を結上げた落ち着いた感じの女性が、お湯の入ったタライをもって入ってきた。


 メイド長兼乳母のメリザ(二十六歳)である。


 意思の強そうな黒い瞳に切れ長の目は、いつも周りの事を気遣っており、ママンも一目置く存在だ。


 代々ミュラー家で家宰やメイドをしている家系であり、母屋の隣に家がある。


 ママンとは生まれた時からの幼馴染で、誰もいないときは、「メリザ姉さん」と呼んで非常に頼りにしている。


 父の仲間であったオットーと結婚し、子供も三人いるそうだ。一番身近なママ友らしい。


 入ってきたメリザは、テーブルにタライを置くと手拭いを濡らして俺の顔をきれいに拭いてくれる。


 さらに産着と汚れたおしめを引っぺがすと、すすいだ手拭いで全身を拭ってくれる。


 新しいおしめと産着を着させてもらい、さっぱりとしてご満悦な俺は「きゃっきゃ」と手足をばたつかせ笑顔でメリザに感謝の意を伝える。


 メリザはそんな気持ちを察してか優しく抱き上げてあやしてくれる。


 甘い良い香りがして朝から至福のひとときだ。


 そんなことをしていると、ビアンカ姉さんがごそごそ起き出した。


「おはようなの。」とメリザに言って目をこしこししながら、メリザの側にやってくる。


 俺は赤ん坊用のベッドに寝かされ、ビアンカ姉さんが階下で顔を洗って身支度する間、寝室でお留守番だ。


 赤毛をおさげにした、大きなブラウンの瞳にちょっと垂れ目が愛らしい、メイド見習いのニーナ(十三歳)が俺を迎えに来て、階下のダイニングに連れて行ってくれる。


 ダイニングにはカール父さん、ママン、ルーデ祖母ちゃん、リーゼ姉さん、ユリウス兄さん、ビアンカ姉さんの六人が身支度を整え座っており食事のあいさつをしていた。


 簡単に家族の紹介をすると、祖母のゲルトルーデ(四十二歳)はママンの実母で、ママンによく似た顔立ちの、金髪碧眼の美人さんだ。


 ただ、人生経験の現れか?ふとした瞬間目つきが鋭くなる。


 つれあいのじいちゃんは十年前の戦争で亡くなっており、二年後ママンが結婚すると同時に家督を譲ったそうだ。


 今は男爵領の内政を手伝う傍ら、孫に勉強を教えたり、花の手入れをしたりとのんびりした生活を送っている。


 見た目はアラサーで充分通り隠居するには早すぎると思うのだが…基本やさしいが、礼儀作法には厳しい。


 ユリウス兄さんが大好きで今もお世話を甲斐甲斐しく焼いている。


 次に、長女のアンジェリーゼ(六才)はしっかりしたお姉ちゃんで、ユリウス兄さんやビアンカ姉さんのお世話をいつもしている。


 ゆるふわブロンドに碧眼の美幼女でママンを小さくしたようだ。『アンジェマジ天使!!』と思う。


 最後は長男のユリウス(四才)で金髪茶眼のイケメンだ。


 父によく似て将来は女性持てることは間違いないだろう。(爆発しろ!)


 父さんを誇りに思っていて、将来は近衛騎士団に入り英雄になるそうだ。


「みんなは俺が守ってやる」とガキ大将ぽいところがあるのだが、責任感も強いので貴族の子息には向いているのだろう。


 あと、調理場で食事を作っている家宰のオットーとメイド長のメリザ、メイドのサラ、メイド見習いのニーナが、この家に住む人たちだ。


 さらに離れにはオットーとメリザの子供が三人とメリザの両親がいるのでかなりの大所帯である。


 気になる朝食のメニューは、パンに野菜のスープ、干し肉、ドライフルーツなどである。


 パンも干し肉もかなり固いようで野菜スープに浸して食べている。


 一応貴族みたいだがお世辞にも贅沢とは言えない朝食をみてがっくりした。


 後々知るのだが、領民の朝食は麦粥とスープがほとんどでこれでも贅沢なのだそうだ。


 ただ、この男爵領は辺境過ぎてかなり貧しく、王都や他領に比べると食事も貧相らしい。


 早いところ内政チートで食生活を向上させると、心に誓うのであった。


『あーやっぱり、人生はままならない。』




読んでくださってありがとうございます。


ママンと父さんの説明を前項に移しました。

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