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おっさんは、異世界で貴族に転生した。属性はマザコン?(仮)  作者: 多田野風太
1章 転生と新しい家族
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1 転生と魔法?

 


 意識が戻ったのは尻に痛みを感じたためだ。今もヒリヒリしている。絶対紅葉ができているはずだ。後で文句を言ってやる!


 今俺は、足首を固定され逆さ吊り状態で、尻を叩かれたのだ。


 どんなプレイだよ!


 拷問でもされているのだろう、周りの数人がひっ迫した雰囲気で何かを叫んでいる。


 続けて二発、三発と叩かれる。


 思わず、「痛い!!」と叫んでしまう。


 しかし、聞こえた声は「ほぎゃー」という赤ん坊の泣き声だけ。


 「何なんだよぉー?」「どこなんだよー?」叫んでみるが


「ほぎゃー、ほぎゃー」という赤ん坊の泣き声が響くだけだ。


 周りの緊迫した空気が緩み、ほっとした雰囲気に変わった。女性の嬉しそうな声が聞こえてくる。


 そして、逆さ吊り状態から、女性に抱きかかえられる。


 たらいで湯浴みをさせられ、汚れを落とされる。


 布にくるまれ、寝かされた。


 なんとなく分っていたが、確認した俺の体は赤ん坊だった。


 ◇◇◇


 俺は、二〇一八年一月現在、日本の地方に住む四十歳を超えたおっさんだ。


 人生に疲れはて、久しぶりの関越道を無茶な運転で爆走した。


 昔スキーを滑りに毎週のように通った道にかなり興奮していた。


 積もり始めた雪も当時乗っていた四駆はものともせず走っていたのに、今乗っているコンパクトカーではあっけなくスリップしてしまった。


 路側の壁に激突。


 大破した車の中は血の海で、俺は激しい痛みのせいで気を失ったはずなのだが…


 たぶん死んだはずなのだが…


 ◇◇◇


 やっと死ねると思ったのに、また赤ん坊からやり直しとは


『やっぱり人生はままならない』と天井を見上げる。


ひぃふぁぁひぃ(しらない)へぇんひょーはぁ(天井だ)。」


 鉄板のセリフを口にして、うんざりした面持ちでゆっくり目をとじた。


 と言っても、近くに控えた女性からみると、生まれたての赤ん坊が疲れて眠ったように見えるだけだろう。


 ◇◇◇


 一晩眠ってつくづく思う。


 赤ん坊とはなんと不便なのだろうか!


 まず、起き上がれない。


 首も座ってないし、体に比べて頭が異常にでかいから持ち上がらない。


 手、足も短いのでバタバタ動かすだけ。


 目もよく見えないし、色彩もない。


 声は出るけれど泣き声や笑い声だけ。舌はまわらない。


 言葉がわからないので何にも伝わらない。


 後すぐに眠くなる。


 今は、とにかく退屈で死にそうなのだ。


 ギブミーテレビ!


 プリーズスマホ!


 カモンまんが…orz


 動けるってなんて素晴らしいことだと思う。


 自堕落な生活を送り、自暴自棄で命を粗末にした自分を反省する。


「前世の父さん、母さんごめんなさい。今度は結婚して、孫を抱かせてあげられる様にがんばります。」


 なんとなく祈ってみる。体の内側、丹田に意識を集中する。座禅の要領だ。


 すると、何か分らない流れのような力のようなものがあるのに気が付く。


 さらに集中すると体の周りからゆらゆらと逃げていくものがある。


 そして見つけてしまった。動けない赤子の暇つぶし。気の修行を…


 まずは丹田に気を集中し、そこから手足の先にゆっくり気を循環させる。


 この時手足が温かくなるようなイメージを持つのがコツである。


 そこから、全身から熱と気が逃げない様に抑えこむイメージで気を循環し、最後は丹田に気を集め圧縮する。


 圧縮した気を両手に込め『か・○・は・め・はー』あ、違った!!


 おっさんは完全に厨二病を拗らせていた。


 ワンセットするとかなり疲れて眠くなるのだが、そこは赤ん坊、寝るのが仕事。食って、修行して、寝る、を繰り返す。全然違和感はない。と思う。


◇◇◇


 そんなこんなで二週間が過ぎかなり思い通りに気をコントロールすることができるようになった。俺様、天才。フッ


 試しに右手に気を集めて赤ん坊用ベッドの柵に掌底を叩きこむ。


 バキッと音をたてて柵がバラバラに砕ける。


 額からいやーな汗が落ちて来るのを感じる。


 次は目に集めて周りを見る。今までぼんやりとしか見えなかったものがくっきり、色彩豊かに見えるようになる。


 耳に集めると、耳が良くなり、鼻に集めると匂いに敏感になり、皮膚に纏わせると風の動きが分るようになった。


 ママンが話しかけて来るのに気を使って聞き耳を立ててみる。


「ジーク、今日も元気でかわいいわね!」


 ママンがしゃべっていることの意味が分るようになった。


 俺の名前はジークと言うそうだ。


 砕けた柵を見てびっくりするママン。


 誰がやったのと大騒ぎになる。


 疑わしげな視線を俺に投げてくるメイド達。


 目を逸らしながら口笛を吹く真似をすると、ガクッと肩を落とし、黙って木片を片付け始める。


 心の中で「ごめん」と合掌するのだった。


 ◇◇◇


 夕方暗くなる頃、メイドのサラが部屋に入ってきた。


 サラは黒髪でさらさらロング、鈍色の瞳にちょっと鋭い眼差しのクールビューティーでメイド服が似合う十六歳の美少女だ。


 戦闘スキルが高ければ正にラノベの戦闘メイドそのまんまの感じである。


「ジークさま、明かりを灯しますね」と話しかけてきた。


 サラは燭台のそばに行き、呪文を詠唱し始める。気が大きく膨れ上がりポン火が浮き上がり蝋燭に火を灯した。


 目を強化して、初めて魔法を見ることができテンションダダ上がりである。


「ヒャッフー」思わず大声で叫んでしまう。


 ビックっと飛び跳ねるサラ


「もう、脅かさないでくださいよ!」


 メイド服の黒髪ロングの美少女が照れて微笑みながら睨んでくる。なんて器用な表情をするのだろう。


 萌え死にしそうになり、ゴロンゴロン転がってのたうち回ってしまった。


 さらに、驚くサラ


「若奥様、ジークさまが寝返りして転がり回ってます。」と言いながら飛び出していった。


「あらあら、ジークが寝返りしたの!早すぎるわ!もしかして天才かしら!!うふふ。」

 ママンがやってきて、大騒ぎになったのはご愛嬌である。


 メイドのサラが魔法を使ったことにより、一つ確信に変わる。


 ここは地球ではなく異世界だ!


 俺が今まで気と言っていたモノは、魔力なのではないのか?


 メイドが使えるのだから、魔法はありふれたものだということも推測できる。


 言葉も何となくわかるようになったし、たくさんの情報を得よう。


 そして魔法を学ぼうと決心するのだった。


 


初めて書きました。

書くのって難しいですね。

皆さんのすごさがよくわかりました。


読んでくださった方ありがとうございました。


後半の食事を独立させました。

いくつかの文章を削除しました。

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[一言] 魔物を創って使役する本を書いてください        よろしくお願い申し上げます
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