【創作(メイド)】
お久しぶりです連夜です。
またもや投稿が少し遅れてしまい申し訳ありません
春休みの時期なのになぜ休んではいけないのか・・・!(泣)
では気をとりなおして今回も月歌の冒険が始まります。
~in【『商売国』シュミール】~
"プルルルルルルルルルルルルル"
"ピッ"
K「はい、もしもし」
T「《おい、K、遅いぞ、何処で油を売っていやがる》」
K「おっ!その声はマイベスト&スイートガールフレンドのT君ではないか!元気!?」
T「《私はお前の友達になったつもりはない、他を当たれ》」
K「えぇー冷たいぜー」
T「《どうせ『あいつ』以外に興味などないくせに》」
K「えへへ、ばれた?」
T「《んで?何人なんだ?》」
K「ん?何が?」
T「《惚けるな、お前が予定より遅れるときは『あいつ』に関することか、戦闘を楽しんでいるかのどっちかなんだよ》」
K「あちゃーばれてたかー」
そういうKの周りには剣を構えた男達が十人ほどでKを取り囲んでいた。
???「K!!覚悟!!」
男達の中で一際がたいのいい男が剣をもち、Kへと襲い掛かった。が、あっさりかわされ、喉へとけりをいれられる。
???「ーーーーっ!!」
声にならない叫びをあげ、ゆっくりとたおれる男。
その無残な姿を見て仲間達が怖じけづく。
T「《はぁ…程々にしてさっさと国に帰ってこいよ?》」
K「はーい!」
"ピッ"
K「さて、おまえら…」
今まで浮かべていた笑いが消え、真顔へと戻るK。
男達「「ひっ」」
K「恩情で殺さないでおいてやったのに、残念だな、…覚悟はすんだな?お前等の死に際を私にみせてくれよ…!」
男達「「ギャアアアアアアア!!」」
男達の叫び声が滅びた国にこだまする。
~in【『奴無消国』メギラ『王室』】~
シホ「月歌!」
"ミシミシ"
月歌「がっ…あっ…」
骨の軋む音がした
クローバー「フハハハハハハハハハ!!」
"ボッゴォオオォォォォオオオオン!!"
シホ「月歌!」
クローバー「どれ…もう一発行くかぁ!」
"ズシン""ズシン"
シホ「【スティール・スター】(静止星)!!」
【DODoDoDoDoDODoDoDoDo!!】
"ビシ""ビシ""ビシ""ビシ""ビシ""ビシ""ビシ""ビシ""ビシ"
シホ「(効いてない…!?)」
クローバーは月歌に向かう歩みを止めない。
"ザッ"
クローバー「!」
クレアがクローバーの前に立ち塞がる。
クローバー「どきなさい、お嬢さん。邪魔です」
クレア「それは出来兼ねますね。」
クレア「【轟音:グリムショット】(ごうおんぐりむしょっと)」
"ボグオン!!"
クローバー「!」
"ドゴォォオオオオン"
クレアの【声】に吹き飛ばされ、クローバーが壁へとぶちあたる。
クローバー「かふっ」
クレア「うぐ…ゲホッゴホッ」
クレア「(やはり『轟音』は反動が大きい。…声がでない)」
シホ「大丈夫か?クレア」
クレア「<大丈夫。それよりも月歌は?>」
シホとクレアは長い間コンビを組んでいたため、このようなとき喋れないほうがジェスチャーをすると予め決めていた。
月歌「いってぇ…」
"ガララ"
瓦礫を掻き分けて出てくる月歌。
シホ「無事なようだ」
月歌「…それが前に言ってたジェスチャーか?」
シホ「そうだ。といってもお前には意味がわからんだろうから、クレアとは私越しにしか話せないがな」
月歌「…あぁ」
ふい、と首を他の方向へ動かす月歌。その表情に動揺が走る。
月歌「おい、国王はどこに行った?」
クレア「<何!?>」
ついさっき月歌に殴り飛ばされ、壁にぶつかり、のびていたはずのメギラ国王がいなくなっていた。
シホ「どういうことだ!月歌!」
月歌「しらねぇよ!!確実に普通の人間が死なないギリギリで殴ったぜ!」
「普通の人間ならな!!」
月歌・シホ・クレア「!」
上から声がした。
月歌「あそこか…!」
見ると、四角い天井の一角にへばり付くようにしてメギラ国王がいた。
メギラ国王「フフフ、わしがもし『普通の人間』だったなら意識を失っていたかもなぁ…」
そういうメギラ国王は顔の左半分の皮がちぎれ、中から見える剥き出しの金属が電気を、帯びてバチバチと音をたてている。
シホ「アンドロイド…それがお前の正体か、メギラ国王」
メギラ国王「そうともよぉ!!」
"ドガァン"
メギラ国王がおりてくる。
メギラ国王「俺は自分の体を改造し尽くしたアンドロイド。今残っているパーツはこの頭脳のみ…だ」
月歌「ほう…」
メギラ国王「人間は信用ならんよ。このワシですらミスをおかすのだから。ましてやワシ以外の無能な他人などどうして信用出来ようか、そうは思わんか?お前等」
月歌「どうでもいいことだ…お前の持論など」
クレア「メギラ国王、『あなた』は『あなた』の手づくりか?」
シホ「(クレアの声が戻ったな)」
メギラ国王「そうよ!その通りだ!このワシの体はワシが作り上げた最高傑作よぉ!…元々この国を発展させたのはこのワシの技術力だ!このワシに造れない物などない!!」
クレア「そういえばこの国は元々『炎とギアの国』と呼ばれていたんだっけ…」
シホ「あぁ、技術力の高さから、な…」
月歌「この下衆に対する賛美の結果だな、…名が泣くぜ」
メギラ国王「ほざけ、ほざけ、何とでも言うがいい!」
メギラ国王が構える。
シホ「あの構えからしてこちらに飛んできそうだな」
クレア「しかもすごいスピードで突っ込んでくるつもりね」
月歌「あぁ。……!」
後ろから殺気。風を斬る音。
月歌「しゃがめ!」
"ブオン!"
クローバー「チィッ」
月歌「このくたばりぞこないがぁ!!」
"ギャン!!!"
クレア「月歌!危ない!」
月歌「!」
振り向いた目の前にメギラ国王。
構えは一般的なラグビーの構えに似たもので、ぶつかることに備えた構えである。
メギラ国王「死ね!月歌!」
月歌はその場で脱力をした。
避けるのを諦めた。それは間違ってはいない。
しかし、『何か』をすることを諦めた訳ではない。
月歌「今更出し惜しみはなしだな…」
メギラ国王「ぬ?」
月歌「使うぜ…!」
月歌は床へと手をつく。まるで蛙のように。
月歌「【創作:『壁』】」
三人の間に巨大な壁が『生まれた』
メギラ国王「ぬう…」
"ガギン"
金属音が響く。メギラ国王が壁にすごい勢いでぶつかる音。
しかしメギラ国王に痛がる様子はない。
メギラ国王「なんじゃ、この壁は…っ!」
人間は自らの勝利を確信すると、油断するものである。その油断の誘惑はとても強く、一流の殺し屋も中々抗えないものである。
勝利の確信は自らが短期間で編み出した勝手な理論、予想に基づくことが多い。裏を変えせばそれは失敗することも多々あるということではあるが、人間はそのことに中々気付かない。気付いていたとしても抗うことは難しく、また、その理論が崩れた時にショックをうけ、軽くではあるが、パニックをおこしてしまう。今回のクローバーは完全にこのケースであった。故に油断してはいけないと思ってはいたものの、一連のメギラ国王と月歌との難しい攻防戦に体のギアが迅速にかからず、それが月歌の優勢を許してしまう。
メギラ国王「何をしておる!クローバー!」
クローバー「…はっ!」
意識が戻ったクローバーは月歌を無力化するために動こうとするが時既におそし。
クローバー「このっ」
今だに同じ構えを壁の反対側にとっている月歌に殴り掛かろうとするクローバー。
クレア「【押声】(オウセイ)」
"ドンッ"
クローバー「おわっ!!」
見えない何かに強くおされ後ろに倒れかかる。
そのまま勢いに身を任せた、
それが命取りとなった。
月歌「【メイド:『針山』】」
"グシュ!、グシャグシュチュ!!グチャ!"
クローバー「がっ、…うっ…」
勢いよく床から生えてきた、まるで地獄の針山のような塊が、クローバーの全身を貫き、天井を崩していく。
血の滴る針山。その赤さがクローバーの敗北を告げる。
メギラ国王「派手にぶっ壊しやがって…」
月歌「『S』が『国潰し』にわざわざ来てやったんだぜ?こんなのまだまだ地味なほうだ」
メギラ国王「そうじゃったそうじゃったお前は『S』じゃったのう…すっかり忘れておったわい」
クレア「クローバー、これ以上起き上がられると厄介だったわね…」
シホ「あぁ、危険極まりないぜ」
メギラ国王「そりゃあ、ワシが選んだ奴じゃったからな…」
シホ「あの様子じゃもう助からないみたいだぜ?なんか感想はねえのかよ」
メギラ国王「ふん。所詮人は人じゃのう、いかにわしが選んだとはいえ、脆く崩れさりおってからに、全くつかえん。だから他人は駄目なんじゃ、やっぱりワシじゃないとのう…」
シホ「けっ、人が死んでるというのにまたナルシスト発言かよ、そういうのはうちの『N』だけで十分だっつの」
メギラ国王「事実を述べたまでっ…!」
"ガキン"
月歌が話を聞き終わる前に殴り掛かる。
月歌「ひゃははは」
メギラ国王「この…っ」
月歌の一撃を腕で受け止めると、メギラ国王は体制を数秒で立て直す。
シホ「【スティール・スター】(静止星)!!」
メギラ国王「クローバーごときに効かなかった技がこのワシに効くか!!」
メギラ国王が腕をクロスさせ、防御の姿勢をとる。
メギラ国王「(この腕は凄まじく固くなるように組み合わせ合成させたワシのオリジナルだ。敗れることは、ない)」
月歌「どうかな?」
メギラ国王「!」
月歌「【メイド:『壁』『拘束具』】」
"ガシャアン!!"
メギラ国王「ぬぅ…!」
メギラ国王の手足が背後に現れた壁に拘束される。
メギラ国王「(このままでは…!)」
月歌「そう、もろにぶちあたるぜ!」
メギラ国王は今ガードの姿勢を取れない。故に、技をもろに受けることとなる…!
シホ「【DO!!】」
"ズッガァン!!"
メギラ国王「ぬぐおぁっ!!」
シホ「【タイマー】」
瞬間、メギラ国王の視界が揺れだす。
メギラ国王「くっ、なんだこれは…?メインカメラの故障か?いや、そんなはずは…うおっ」
メギラ国王の体制が崩れる。そこをプロは見逃さない。
クレア「【ノイズ・アッパー】」
"メキョ"
『音』がメギラ国王の顎を強打する。
メギラ国王「ふっ…ぐ…」
顎を強打したことによりメギラ国王の全身はのけ反るようなかたちになる。しかし、メギラ国王の背後には壁がある。頭は垂直より後には下がらない。
故にその一瞬、無防備な腹を敵の眼前にさらすこととなる。
その隙を、プロは、見逃さない。
シホ「ナイスアシスト!」
シホ「【スティール・スター】(静止星)」
シホ「【DODODODODODODODODODODODODODO!!】」
"ガン!""ギン!""ゴン"
"メキャ""メリッ""バキッ"
シホ「!(砕け始めた!)」
"ピシッ…ピシピシ"
スティール・スターの勢いに負けて、メギラ国王の背後にあった壁が崩れる。
メギラ国王「おぉお、お…」
シホ「おおおおおおおお!!【DO】!!」
"バッコァアアアアン!!"
壁が崩れる。
『メギラ国王が』貫通する。
この世の全ての物体には慣性という力が働く。
慣性とは物体が今行っている『静止』または『動作』をそのまま続けさせようとする世界の理であり、
今、まさにメギラ国王の体にはスティール・スターによる『攻撃』をうけ、その『慣性』が働いている。
つまり今メギラ国王は飛んでいる。
いや、飛ばされている。
その先に月歌。
月歌側から見ると、無防備なメギラ国王がとんでくるのが見える訳である。
『その隙を』!
メギラ国王「うおあぁあぁあぁ!!」
『プロは』!!
空中では空気抵抗以外の抵抗力は殆どかからない。
月歌はメギラ国王の下半身を下から軽く叩くと、右足を喉仏にのせた。
メギラ国王「ま、まさか…」
月歌「じゃあな」
まだメギラ国王は空中にいる。
『逃さない』!!!
月歌はそのまま右足を地面へと力強く振り下ろす。
"ガァアアアアアアアアアン!!!!"
月歌「【奥義:ギロチン】」
"ごきゅ"
〔人物紹介〕
名前:虹城月歌〔17〕
性別:男
身長:164㎝
体重:50キログラム
頭髪:薄い黒・短い
趣味:入浴・麻雀
嫌いな物:弱いこと
使用技能【『創』・『?』】
モード『魔法』
能力の詳細:自分の思い浮かべたものを的確にその場にあるもので作り上げる。ただし作るものが複雑なものや作るのが困難であるものほど作る為に用する時間が、
大きいものであるほどエネルギーを消費する。
備考:『S』ランクの元囚人。クレアとシホに買われ、仲間となる。その体術は凄まじいもので、捕らえようとした何億人もの人間をその腕一本でねじふせている。
四人家族だが詳細は不明。