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月歌

初投稿なのでルールとかも全然わかりませんがとにかくよろしくお願いします

長編未完成です。


・・・どこかの旅行雑誌に書いてあった気がする。

『静かな王国『メギラ』落ち着いた生活を送りたいそこのあなた、是非行ってみては?』

・・・と。



「(とんでもない)」



「『上』は知らんが『ここ』が静かなわけが無い」


少年はニヤリと笑う。


『奴無消国』『メギラ』、その地下の奥深くから、聞こえてくるのは歓声と拍手の音のみである。


「(こんなにも・・・)」


歓声は少年の名を呼ぶ。

「(やかましいじゃないか・・・)」


「「「月歌!!」」」「「「月歌!!」」」「「「月歌!!」」」「「「月歌!!」」」


月歌「いよっしゃあああああああ!!!!」

“ワアアアアアアアアアア!!!!!”


声援。声援。

悲鳴に近い声援が月歌の体を心地よく包み込む。

月歌「いくか!」

少年は丸く縁取られた戦いの場の中央へと足を運ぶ。




ここは『メギラ』という国である。

巨大な道が2本、縦横に十字を描く様に走り、その中央を丸く切り取ったような形をしている。

その構造上、この国の中心地は、この国において最も人が出入りしやすい地点となっており、それゆえこの国における貧富の差は激しく、中央部に向かうほど貿易が盛んで、豊かである。

・・・裏をかえせば国の端のほうは廃れていることになるが。



さて、そんなメギラであるが、今貴族たちに流行っているものがある。

それがここ『王国地下格闘場』である。

ここでは日々、国が保有している奴隷たちによる凶器あり、殺しありの試合が行われており、『人』が『人』を傷つけあい、それが興行となっている。

また、王国地下格闘場は、野球ドームのような形をとっており、中央で戦う奴隷たちを上から眺めやすいようにあらかじめ設計してある。



今、そんな地下闘技場の中心に、挑戦者である大男と、

地下闘技場現王者である、一人の少年が向き合っている。


大男「フン・・・こぉんなチビがこの闘技場の『チャンピオン』とはな・・・後になって泣くんじゃねぇぜ?クソガキ」

月歌「ククククク、ぶよぶよのぜい肉かと見間違うような筋肉、見かけだけの砦、張りぼての強さ、そんなまがい物、ボディービルダーのできそこないみたいなお前が俺に勝てるとでも・・・?本気で言っているならば正気を疑うな・・・」

大男「いわせておけばっ!」

月歌「おおっと待った、まだゴングは鳴ってないぜ?」

大男「・・・・ちっ!」

月歌「まぁ、もう鳴るけどな・・・・」

“カァアアアアアアン”

試合の開始を告げる金属音が王国格闘場に鳴り響く。

ここでは奴隷同士が戦い合っていると言ったが、そもそもこの試合における趣旨は『人身売買』である。

この国の商売は公には食料や機械などが主であると主張しているが実際に大部分を占めるのはこの人身売買である。

また、意外なことに見世物にされる奴隷には自ら立候補した者のほうが多い。

なぜなら奴隷の大半は貧困層出身の人間または囚人が多い。

貧富の差をひっくり返すのは限りなく難しいことである。

極限の飢えと

心に侵食していく穢れ、

そのなれの果て、日々、確実な飢餓にさらされるくらいなら、

人の尊厳を失っても生きながらえたい、そう思ったのかもしれない。

話はそれたが、要は『奴隷』と『売人』の双方の需要が一致し、この場は成り立っている。

奴隷はここで互いを殺し合い、実力を示し、自らを買ってもらう。

売人達は『殺し合い』を『ショー』として楽しみ、自分に都合のいい奴隷を買っていく。

給仕に。 

執事に。

サンドバックに。

性の捌け口に。

食料に。


月歌はそんな奴隷たちを何億人も殺してきた王国地下格闘上のチャンピオンである。

体格の差など圧倒的な経験の前には無に等しい。


大男の左こぶしが月歌に迫る。

月歌はそれに対し身を内側に翻しながら避け、右足で大男の腹部に重い蹴りをたたきこむ。

“ズグッ”

鈍い音。

大男「んぐっ!」

何かをのどに詰まらせたような低い声を発す大男。

大男「こ・・・んのガキッ!!」

“ブオン!”

今度は右こぶし、ジャンプしてかわし、無防備な右肩を思いっきり蹴り下ろす。

“ごきゅ”

大男「っっっ・・・!」

痛みで声が出ない大男。

月歌「ほらな・・・。」

月歌が前のめりになった大男の懐に潜り込む。

大男「っ!」

月歌「とどめだぜ、受け取りな」

そう言うと月歌は軽く飛び上がり大男の首筋へまわし蹴りをたたきこむ。

“がごッ”

ヒット。

大男は前のめりに地面に倒れる。

審判「そこまでっ!!勝負ありっ!!」

“カァアアアアアン!!”

試合の終わりを告げる鐘の音が鳴る。

“ワアアアアアアアアアア!!!!!”

歓声。人の声。人が傷つくのを楽しんだ『豚』の嬌声。

月歌「(自分達が傷つくのはいやな癖に・・・)」

月歌は観客達を睨みつけた。が、すぐに笑顔になると

上を向き高らかに笑いだした。

月歌「くくく、ははあはははかかかかかかかっかかあか!!!」

月歌「(俺もか・・・違いない。)」

大男はピクリとも動かない。

月歌「(この男の向かう先は知ってる。せいぜい囚人どもの餌になってくれや)」

大男は何人かの人間に担架に乗せられ運ばれていく。月歌は何も思わない。

慣れは怖い。人から怖れを奪う。

月歌は負けた相手が運ばれる、その末路に『慣れたのだ』

1347回目のチャンピオン防衛

S級犯罪者。

囚人の少年。

チャンピオン『虹城月歌(コウジョウゲッカ)』は心底楽しそうに笑っていた。

登場人物の軽い紹介

月歌→この物語の主人公。

大男→ただのやられ役今後出演予定なし


長文失礼しました。

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