【ストーカー編】激突
誤字脱字が多くてすみません。
以後気をつけます。
指摘していただけるとありがたいです。
(ドンドンガチャガチャ)
「遥ちゃん開けてよ。僕と遊ぼうよ」
外がどんどん騒がしくなってきた。
遥に助けてやると言ったものの飴玉ンがいないんじゃ俺はただのオッサンでしかない。
飴玉ンはどこだ?
だが探す迄もなく救世主は向こうから現れた。
「ワシはその言葉を待っておったのじゃ」
飴玉ンは遥の胸ポケットにいた。
「お、良かったー」
「キャンディ!良かったわね」
遥はウインクをしながら確かにそう言った。体の震えも止まっており、なぜか顔には笑みがこぼれていた。
「そうじゃな、まあギリギリ合格じゃ」
「二人してこんな時に何言っとん?」
状況の変化についていけない。騒がしくまくしたてる音が聞こえるのは俺の幻聴なのか。
「オジサンの事よ、合格おめでと♪」
俺に満面の笑顔を向ける遥を見て寒気が走る。
「合格って何に?」
「チュッパマン適性検査に決まってるじゃない」
常識だと言わんばかりの顔を見せる遥。
「なんそれ?」
「本当に鈍いのう、聞いたまんまじゃろうが」
「俺がチュッパマンに向いとるかどうか?」
「そう、オジサンに内緒で調べてたの」
「で合格って事は俺は向いとん?」
「そうそう私を見捨てずに守るって言ってくれたから♪ クビにならなくて良かったね」
「え、不合格じゃったら辞めれとったん」
「そうそうそうだよー」
「じゃあ見捨てるけん不合格にしてや」
「そんなの無理に決まってるじゃん、泣いても笑っても一発勝負は絶対! 私だってオジサンにばれないよう演技で勝負してたんだから」
「え〜と悪いんじゃが遥ちゃん」
「何、どしたの?」
「すまんがワシにも喋らしてくれんか」
「全然オッケー、別に私に構わずドンドン喋っちゃっていいよ」
「いやそうでは無くての」
「何なんなの、意味分かんなーい、はっきり言ってよ」
どうやら飴玉ンは遥に弱いと見える。言いにくそうだったので代わりにはっきり言ってやった。
「遥に黙れって言いたいんじゃろ?」
「そうなの、キャンディ?」
遥は捨てられそうな子犬の目で飴玉ンを見つめている。
「いや黙れと言うのじゃのうて、少し静かにしてくれたらありがたいなと」
「ひどい、キャンディのバカッ」
遥は俺に飴玉ンを投げつけ走ってベットルームからいなくなった。
残された彼はシンデレラに逃げられた王子の様だ。ってなんだこの二人の関係は?
「キャンディ王子」
「お主がキャンディと軽々しく呼ぶでないわ」
「ごめんごめん、で俺に話があるんじゃろ?」
「そうじゃ、一週間もお主の元に帰らなんだ理由を言おうと思っての」
「その事、チュッパマン適性検査が関係しとん?」
「お! 珍しく鋭いのう、そうじゃ、お主をクビして他の者を選ぼうとしておった」
「でもまた俺って事はええ奴が見つからんかったん?」
「その通りじゃ、今の世の中、人の為に頑張ろうとする者はなかなかおらんかった」
選ばれた自分は無性に恥ずかしくなった。
「とか言って本当はアンタ、気味悪がられたり、覆面タイツ姿を拒絶されたけんじゃねん」
照れ隠しで憎まれ口を叩いてしまう自分が嫌いだ。
「な、何を言うんじゃ。そんなばゃけ無かろうが」
あれ、図星かよ! しかもその噛み方前もしとったわ。
「まあそうゆう訳じゃから、これからよろしく頼むの」
「もう分かった、あきらめて頑張るわ」
(ドン…ドン…ドン)
「いい加減、ハア 開けろ、ハア」
今までずっと無視していたが、偽ボーイは根気強くドアを叩き続けてバテバテになっていた。
「もう適性検査は終わったけん、叩かんでええで」
可哀相になり鍵を開けてやろうと玄関に向かう。
「遥の言っていた事は嘘ではない。そ奴は本物のストーカーじゃから間違っても鍵を開けるでないぞ」
(カチャ)
「ん、なんて? よう聞こえん」
「今の音まさか、鍵を開けるでない閉めるのじゃ!」
「もう遅いよ」
(ガツッ)
再びドアに手を近づけていると物凄い速さでドアの方から近づいてきた。そして手と肩に当たって横に飛ばされ、その勢いで体ごと壁に叩きつけられた。
「ウギョ!」
よろけながらも倒れなかった俺だったが、すぐさまさらなる衝撃に襲われ今度は後ろに飛ばされていた。これにはひとたまりなく、床に背中を強く打ちつけた。それは見事なタックルだった。
「君みたいなハゲ親父に遥ちゃんは似合わないよ」
偽ボーイは俺を見下ろしながら言った。
その顔には見覚えがあった。
「なんであんたが!!」
偽ボーイはエビス警官だった。
「君誰?僕は君なんて知らないよ」




