召喚編 3
リリアは悪夢から覚めたように目覚める。
目に入ったのは見覚えある天井、そう、自室で目が覚める。
とても、悪い夢をみた。
召喚魔法で召喚した男が我が国の魔術士を殺し、その男からファーストキスを奪われ、屋上から城外へジャンプし、敵を殲滅し、私が奴隷になる。夢である。
鮮明に思い出せるもとても現実見のない、夢である。
「やっと起きたようだな。」
そう、まるで夢のような出来事をやってのけたのである。
「サーク様、何故私の部屋に?」
サークは悠々と椅子に腰を掛けている。
「何もおかしい事はないだろう。お前は俺の奴隷なのだから。首筋を見てみろ。」
私はベットからゆっくりと立ち上がり鏡の前に向かう。
鏡に写った私の首筋には荊のようなアザがついていた。
「俺の国の奴隷証だ。契約の時に相手に魔力を送り込んだ。契約が完了された場合に首筋にアザが浮かび上がる。」
「契約の時?」
「あぁ、接吻でな」
「...ッ!.........///」
途端に昨晩の光景が脳裏を巡り、リリアは頬を赤らめ俯く。
サークはまた小さくクククッ笑いことばを続ける。
「そのアザは俺の気分一つで首をカッ切る事ができる。」
「そ、そうですか。」
あの時は性急だったので契約を結んでしまったが、一国の姫である私が奴隷に落ちたと国に広まればそれだけで国が滅ぶのでは考え、一時の感情で事を進めた事に大きく反省する。
「これから私はどうすればいいのですか?」
一般的な奴隷の使われ方は知っている。ボロ布のような服を着て、両手両足を鎖で拘束しキツい仕事を与えられ食事は固いパンだという。
今まで城でなに不自由なく育った姫には想像以上に辛い生活になることを覚悟した。
「いつも通りでいい。」
「え!?」
キツい未来を覚悟していた分帰ってきた言葉は意外だった。
コンコンの扉を叩く音が聞こえる。突然の音にビクリと体を震わせた、姫であるリリアの部屋に男のサークと二人っきりであるこの状態を他の誰かに見られてはまずいことになるからだ、リリアはサークの方を向き少しの間隠れてほしいという気持ちを込め視線をやる、しかし、リリアの思いは届かず、いや、思いはわかっていてワザとなのだろう、手もヒラヒラと振る。
リリアは仕方ないと心の中で深いため息つきながらでドアに向かって「入りなさい。」と声を掛ける。
「失礼します」と一言一礼し入ってきたのはメイド服を着た女性、歳はリリアより少し上で鋭い瞳と整った顔立ちは可愛いというよりかっこいい女性といった感じである。
彼女は部屋に男がいることに気づくと鋭い瞳はさらにさらに鋭くなりサークを睨みつける
「ここはリリア様のお部屋です!!どこのどなたか存じ上げませんが男の方は入室禁止です!!早く出てってください」
「待って、カユヴィーこの人は...」
「リリア様もリリア様です!!この緊急時に男性を部屋に入れてもしものことがあったらどうするんですか!!」
「でも、気づいたら部屋に...」
「デモではありません!!だから私はもっと姫としての威厳と態度をとりなさいとつねづね言っているのです。この前だって騎士団長に話されていた時は私がいなかったらいつまででもつまらない雑談を聞かされ続け訓練場にまで連れて行かれそうになり、そのせいでゼベル侯爵のパーティに遅れて国王に迷惑をかけたではありませんか、国王がリリア様を溺愛されていたから深くは申されませんでしたが本来あってはならな.......」
リリアがカユヴィーと呼ぶ女はリリアに説教を始めた。
すみません、投稿遅くなりました、休みの日のたびに投稿していこうと思いますが、休みが未周期なため遅れたにしますのでご了承ください。