プロローグ
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「国王!! 決断を!!」
王城内で一番神聖な空気を漂う謁見の間にて玉座の前で膝まずく臣下の鋭い言葉が部屋に響き渡る
臣下の言葉に眉をよせ苦い顔を作り国王は短く言葉を返す
「... もう、しばし待て」
しかし、臣下は国王の言葉にたいし言葉をはくのを止めばしなかった
「いえ!国王、これ以上待ったとしても結果は悪くなる一方です。我々が籠城して二週間過ぎ、貯蔵庫の食料は雀の涙程度しか残っておりません、配給の量を減らしても戦う者の士気が下がり、その内餓死者が出て戦う力も無くなります。
そうなる前にご決断を!!」
今、敵は城を取り囲むように待機しており、城に残っている兵では民を逃がすための時間稼ぎもできないであろうことは目に見えて明らかその上で決断せよと申すのは、早く敵の条件をのみ降伏しろと申しているのと同じである
敵が題した条件は
『完全な降伏の意思を見せ、国王の首を差し出すことと、リビングハイド大帝国の国土の一部として国権を全て譲渡することである。』
忠誠を誓った臣下に遠回しに条件をのむように言われているため、国王は奥歯噛み締める思いであった。
しかし、現状敵軍は我が城壁を包囲するように取り囲んでいる。
その数、一万人。
対して度重なる負け戦により我が兵は200人足らず、
「あと三日待て、三日間で決断する。」
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シンシア国の国王には1人娘がいた。国王は他の子供を授かることができず、王家の血統は国王と娘だけだった。シンシア国では女が国権を受け継ぐ事が出来ないため国を担う事ができる者を夫として迎え入れれるように教育を受け、彼女は絶世の美女と呼ばれるにふさわしい容姿に成長し、国内では求婚の申し出が後を絶たない程であった。
彼女の名声は国外へも伝わり彼女の16歳の誕生日に豪華な贈品と共に求婚の申し出が書かれた手紙が贈られました。
彼女には今までに求婚の申し出など掃いて捨てる程贈られてきた。若輩者の申し出であれば目を通さずに断る事ができましたが、今回は隣国のリビングハイド大帝国の第一王子からの者で、彼女を次期帝王の妻として迎え入れるたいとのことだった。
彼女がシンシア国の数倍の国土を誇るリビングハイド大帝国の帝王の妻となればシンシア国とリビングハイド大帝国は強い繋がりを持て国の成長や発展に貢献出来るであろうが、シンシア国には国王の血統が彼女しかいないため彼女をリビングハイド大帝国に送り出せば王族の血統がが絶えてしまう、そのため国王はこの求婚を断ることにしました。
断るに至って戦になるのではと考えもしたが今まで培ってきた関係を壊してまで無益な戦争にはならないだろうと国王は考えました
しかし、国王の考えは虚しく、帝国に付け入る隙を与えてしまい戦となってしまった。
リベングハイドはシンシアの数倍の国土を持つ大国、国土の大きさは兵力の大きさになり、圧倒的な兵力の差により、戦は負け、兵は衰退しほぼ壊滅的打撃を受け撤退、救援の来ない籠城戦へと陥ってしまったのである。
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臣下は国王の言葉に満足したのか早々に部屋を出ていく、先ほどの騒動が嘘のように静けさの中で国王は小さくため息をつく
「何かいい案はないか?」
先ほどから隣でいる信頼する宰相にダメもとで聞いてみる
「いい案ではございませんが、召喚の儀式を行なってみてはいかがでしょうか?」
「あの禁術とされる異世界人の召喚の儀式をか?」
「はい、儀式では異世界人の強力な力を持つ者が召喚されるとされ、その者の力を使えばこの危機を打破することができるやもしれませぬ」
人を1人召喚したところで個人の力で今の状況がどうにかなるとも思えないが今は、可能性が少しでもあるならかけてみようと考える。
「うむ、いつ取り掛かれる?」
「今夜にでも、しかし問題がありまして今の我が軍に魔術師が何人残っているか・・・」
「魔術師でなくても構わん、魔術を使えるものを全て掻き集めろ、今夜0時に城の最上階で儀式を執り行う」
「はっ!!すぐ準備に取り掛かります」
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儀式のために城の最上階にある部屋にローブで身を包んだ者20名ほどが集められた。魔術の才を持つものは限りなく少なく国王の勅命でもこれだけの人数しか集まらなかった。
「すまぬな、魔術師の人手が足りずおで付き合わしてしまって」
「いえ、お父様、私の魔力が国のために微力ながら力を貸すことは当然で光栄なことです」
「そうか」
国王の言葉に対して隣の女性は彼女は綺麗な声色で返し当然のことと静な感情のせない声で返事をする
「では、召喚の儀式を始めろ」
国王は部屋の全員に聞こえるように向き直し儀式開始の宣言を高らかに響かせるのであった
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