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『これって異世界転生ですか?』1

 これって異世界転生ですか?

 誰か詳しい人、教えてください。


 僕はただ、スーパーに買い物に出かけ、大根と玉ねぎとキャベツを買い、散歩がてらに行ったことのない道を散歩していただけだった。ふと、何の気なしに小道に入り、通り抜けると、ここに着いたたわけだ。その小道がどこにあったのかも、どんな道だったかも、正直覚えていない。なぜなら、異世界転生するつもりなんか全くなかったからだ。

 大体これって異世界転生なのだろうか? 僕の知っている異世界転生は、トラックに轢かれたり、通販で不思議な道具を買ったり、あるいはマスターベーションをしている時にするものだ。僕は臨死体験をしたわけでもなければ、エクスタシーに達したわけでもなく、ふらふらと散歩していただけである。

 ふらふらと散歩していた中年男性が異世界転生をしてしまうのはいかがなものだろうか。だって、異世界転生といえば、冴えない男子高校生や、ブラック企業の社畜サラリーマンとか、もっとするべき人がいるだろう。


 これって異世界転生なのだろうか?またこの疑問である。僕は異世界転生なんか名前しか聞いたことはないし、そう言う作品を見たこともない。これが異世界転生なのかどうかもわからないのだ。異世界転生に詳しい人なら「ハハーン、これは異世界転生だな」なーんてすぐにわかるのかもしれない。あるいは、「異転」とか「異世転」とか略されるものなのかもしれない。

 と、こんなことを言っていても仕方がない。


 ただ今、僕の目の前にはだだっ広い草原が広がっている。つまり、異転(あるいは異世転)であってもなくても、かなりの異常事態である。

 当然、僕はまず道を戻ろうとした。僕は驚くというよりも、かえって冷静だった。現実的ではない出来事に対し、体が反射的に「これは何かの夢だ。驚く必要はない」と判断するのだろう。

 僕は道を引き返した。しかし、答えは歩き出す前からわかっていた。なぜなら、その小道の先、つまり僕が入ってきた入口のことだが、そこにはすでに草原が見えていたからだ。草原が見えていながらも、僕はその道を通り抜け、「うむ。おかしいなあ」なんて言っていた。アホだ。しかし、理解の範疇を超えた不思議な出来事に巻き込まれると、人間は皆そうなってしまうものなのだと思う。

 僕は上を見上げた。清々しいほど気持ちのいい天気であり、「外に出てきてよかったなあ」なんて思った。アホ・パート2だ。そして、僕は振り返り、小道を形作る建物を見上げた。それは二棟の廃墟だった。西洋的な石の壁でできた小さな家のようだった。その建物の他には見渡す限り何もなく、草原の他にいくつか木が生えているだけだった。遠くに山が見え、壮観だった。

 その素晴らしい景色の感動と共に、いよいよアホは正気にかえった。


1月31日更新

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