第6話 私の魔力
――2日後。
私は王城のすぐそばにある教会に来ていた。
しかし、教会に用事があるわけではない。
正確には教会の横にある施設にやってきたのだ。
なんでこんなところにいるのか――
それは、私に魔力があることが判明したからだ。
基本的に、魔力の有無、量、属性について調べるのは10歳になってから。
魔力量が定まるのがその程度の年齢だからだ。
しかし、私は一昨日の茶会で魔力を暴走させてしまった。
周りに植物が生えていた、あれ。
感情の高ぶりで魔力が暴走したということは、かなり魔力量が多いということになる。
あの時は周囲に害意を持っていたわけじゃないから、攻撃はしなかったけど、これからは分からない。
魔力の暴走は、魔力制御を身に着けたら解決する。
だから、そのために魔力量の測定と属性を調べに来たのだ。
「それでは、こちらに手を載せてください。」
神官が示したのは白い石が載せられた台座のようなもの。
私は白い石に手を載せた。
「おお、これは・・・。」
私が手を載せた瞬間、石が黄緑色に輝く。
台座に設置されたパネルに表示されたのは――
251。
これは、中級相当の魔力量。
パネルをのぞき込んだ神官は唖然とし、両親はほおを緩めた。
おかあさまは私に視線を合わせ、私に尋ねる。
「ねえ、リリス。魔法の練習、しない?」
私は間を置かず、こくりとうなずいた。
魔法は私も、昔から興味があったのだ。
「じゃあ、あとはお願いします。」
3人で部屋を出て、馬車へと向かった。
――1週間後。
私とおかあさまは王城に来ていた。
目の前には大きな建物。
ここは疾風の翼の訓練場だ。
ドガァァァン
突然、地面を揺らすほどの爆発音が聞こえた。
おかあさまは落ち着いた様子で「大丈夫よ。」とだけ言った。
訓練場に足を踏み入れ、目に入ったのは、地面に倒れたたくさんの人。
その中でただ1人、こちらに背を向けてただずむ女性だった。
「マノン、程々にして頂戴。訓練場が壊れてしまうわ。」
「うっさい。」
そう言いながら、女性はこちらに振り向いた。
ふわふわとしたミルクティー色の髪が逆立つように揺れ、ラベンダー色の瞳がギラギラと光っていた。
「この子が娘のリリス。リリス、この人がマノンよ。」
「こんにちは。」と言っておじぎをする。
「あぁ、あの。・・・結果は?」
「魔力量はすでに251、属性は緑よ。」
「ふうん。まだ9歳なら、まだまだ伸びるな。属性も増える可能性があるし。」
マノンは獲物を見つけた肉食獣のような笑みを浮かべた。
「ということで、この子に魔法の使い方を教えてくれる?」
「もちろん。・・・セレストが教えなくていいのか?」
「ええ。私がずっと付いてあげられるわけじゃないしね。」
マノンはこちらに歩み寄り、右手を差し出す。
「これからよろしく。リリス。」
私も右手を差し出し、握手をする。
マノンは先程と同じ、獰猛な笑みを浮かべていた。




