第13話 深紅の瞳
2年後。
私は12歳になり、現在、魔法学校があるとされている森の前に立っていた。
私の周りには100人ほどの子供が立っている。
「それでは、私の後ろについてきてください。」
そう言って踵を返す試験官。
そう、わたしたちはこれから、魔法学校の入学試験を受けるのだ。
入学試験は筆記と実技、試験官が出す試験という3つの試験の総合得点によって行われる。
どれも相応に難しい。
大体1000人受験している中、合格者は100人だけ。
だからか、お母様とマノンさんによって、この1週間は訓練漬けとなっていた。
森の中をしばらく進むと、動いていた列が止まった。
寒い森の中、マフラーに顔を埋めて指示を待つ。
列の横に、先頭を歩いていた教官が回り込んできた。
そして、全員を見回して口を開く。
「それでは、名前を呼ばれた順に台座のところへむかってください。」
教官が示した方向に顔を向けると、石のようなもので作られた台座。
これは、試験前の実力テストのようなものだ。
台座に血を1滴たらし、魔法を行使すると幻惑魔法が解除されるという仕組みだ。
それを1人ずつ行い、魔法学校に入れたものだけが試験を受けられる。
「それでは、順番に・・・」
私は最後の方だったため、30分以上その場に待たせれることとなった。
もちろん、幻惑魔法を解くことは成功した。
しかし、100人中20人ほどがその場で脱落した。
ある者は緊張で魔力操作を失敗。
また、ある者は呪文の発音を失敗。
他にも色々な理由で失敗した者たちは、どこからか現れた教官に連れられ、来た道を戻っていったのだった。
私が幻惑魔法の結界内に足を踏み入れると、第一の試練、とも言われるこれをクリアした者たちは浮足立ったような表情を浮かべていた。
・・・まだ、試験は始まっていないのに。
そう思った瞬間、真横から全く同じセリフが聞こえた。
「まだ、試験は始まってないのに。」
顔を横に向けると、深紅の瞳がこちらを覗いていた。
「・・・あんたは、違うのね。」
少女はそう言って、楽しげに笑うのだった。




