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変な魔法使い、異世界に行く  作者: 八艘宗八
第2章 果汁100%! パン屋と四天王とワイバーン~至高の一品を求めて~編
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11-G 『神の一皿』エピローグ

 赤と白を独占したような彩りの神クラリムが、大衆食堂『胃袋の盾』の女将アイギスと別れてすぐ。


 アイギスは背負っていたキャリーバッグ程大きな鞄を下ろした。


「行ったよ。そろそろ出てきたらどうだい」


 アイギスはそう鞄に語りかけると、鞄のチャックが独りでに開き始め、腕が突き出てきた。


「それにしてもアンクーラの巣で調理させようなんて、よくもまあそんな無茶苦茶なことを思いつくねぇ。ま、それをやってしまう、わたしもわたしだけどねぇ」


「それよか、あの子か。見るからに非力そうな子がアンクーラ相手に時間稼ぎを成し遂げた。そっちの方が驚いたねぇ」


「アンタは、あの子がアンクーラを足止め出来るって本気で思ってたのかい?」


 鞄から全身を取り出した、濃紺ローブの男は、アイギスの問いにすぐさま、こう返した。


「クラリムは変わっているからな。どんな事でも、やれると思ったらやりきると思っただけだ」


「アンタがそれを言うのかい……それにしても、雑談で卵取りに行っているって言っただけで、こんなことになるなんてね。こういう無茶な注文は今回だけにしておくれよ。常連さん」


「善処しよう。あと、アイアスにも礼を言っておいてくれ。あの盾を鞄に入れていてくれたのは彼女なのだろう。助かった」

「はいはい。家宝を勝手に鞄に入れておいた事は大目に見てやるよとするよ。ただ、仕事をサボって雑談をしてたってのは許せないがねぇ」


「このまま走って帰るけど、どうする?」

「あぁ、頼む」


 濃紺ローブの男は、再度鞄の中へ入ったのだった。



「たっだいまあああああ!」


 途中猛スピード女将さんに追い抜かれつつも、なんとか家まで辿り着いた私は、開けっ放しになっていた玄関から家の中へと入った。

 本来なら申し訳なそうに入るものかもしれないが、今の私は神の一皿を手に入れた事で、興奮し細かいことまで頭が回っていなかった。


「皆んな聞いて!! 今日のご飯はなんと! あのアンクーラの卵で作った『神の一皿』を……」


 意気揚々と語る私の目線はダイニングテーブルの上に乗った、ブツに注目し、言葉が切れた。


 何故なのかと言うと。


 私が手に抱えているオムレツ(もの)と同じものが、食卓に並べられていた。


 三人が三人とも、私が置いたオムレツの皿を注視する。


「えーと、そのー、おかわりいる?」


 この話に教訓があるとするならば、


 いくら美味しくても、サプライズで料理を振る舞うなら、定番の料理は外す方がいいということだろう。

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