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隣人は殺人鬼!

作者: 白夜いくと
掲載日:2023/05/11

 俺は怖がりだ。だからこのことを黙っている。


 隣人の山田さんは殺人鬼だ!


 というのも、昨日、隣人宅に男が入ったかと思えば、銃声が聴こえたからだ。『助けて!』という男の大きな声も聴いている。そのあと、パトカーが近隣を走っていたのも音で確認していた。


 次の日。

 俺はゴミ出しで隣人と目があった。


「あら。こんにちは」

「こ、こんにちは!」


 心臓をバクバクさせて、何も聴いていないような素振りをする。隣人は、華奢な身体をしていた。そりゃ素手は無理だろう。何か男と揉めたのだろうか。それとも、反社会的組織の一員とか……。


 考えるほど身震いする。


 警戒しながら帰ろうとすると隣人は、


「ごめんなさいねぇ。昨日の……聴こえてたら」


 そう言ってきた。


「いいえ、何も! 何も聴こえていません!」

「あら、そうなの? 結構大きな音だったけれど……」


 何も聴こえていないフリ。何も聴こえていないフリっと。

 すると、これまた隣人の立花たちばなさんが会話に交わって来た。噂好きのおばちゃんで有名な彼女。話が長くなりそうだ。


「ねぇ山田さん。昨日のAIスピーカー。音が駄々洩れだったわよ」

「あらやだ! そうなのよー音量調節が出来なくて。ちょうど男が刺殺されてパトカーが来るシーンだったから困ったわー」


 ん?

 AIスピーカー。そうか! 昨日の男の声とパトカーのサイレンは全部テレビの音だったのか! 紛らわしい隣人だ。ふぅ、安心した。俺は何を勘違いしていたんだ。アホらし。帰って寝るか。


 その日の夜は、静かだった。山田さん。AIスピーカー使いこなせるようになったんだな。良かった、良かった。

銃声はどこから……?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 後書きで全てをひっくり返すというのが面白いですね笑
[良い点] 隣人が本当に犯行をしていれば怖いですね。 こういうトラブルを想定して、ふだんからスピーカを誤操作っせてたとか。 [気になる点] むしろ、その音が銃声だとわかったことがすごいかも。
[一言] 最初全く気付かずに読み終えて、あとがきを読んだ後改めて読み直し、ぞっとしました。 これ、正直に主人公が答えていたら……どうなってしまっていたのでしょう。 怖がりであるということは、或る意味で…
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