『作成』と『魔法付与』と最初の装備
にわ
、、、さて、どうしたもんか
一応スキルについては口頭で伝えるだけみたいだし、それを紙に書き写してるやつも何かを確認してるわけじゃないから、多分嘘をついてもそれを確認する手段はないんだろう。なら、、、
「次の方、お名前とスキルについて教えてください」
「はい。名前は雨霧リク、能力は物を作り替える能力だ」
「作り替える、、、ですか?」
「はい。あの、、、何かありました?」
「いえ、他の方に比べて、その、、、少し、、、」
「あぁ、確かに他の奴らよりも派手さがないかもですね、、、俺も夢か何かだと思って向こうの世界で欲しい能力を選んでしまって、、、なんせ向こうは魔法のない世界なので、、、」
もちろん嘘は紳士の嗜みだからな。物を自由に作り替える能力、、、これがあれば魔法なんて目じゃない。十分に発達した科学は魔法と見分けがつかないとはよく言ったものだ。
「、、、そうですか。わかりました。では次の方!」
そう言って、全員の能力の一応の把握が終わると、次は各自の部屋割りだった。そこでは、各々、希望の部屋があれば聞かれて、俺としては資料庫の近くにしてもらった。なんと言っても、鉱物やら、その特性がかいた本やらいっぱいあったからな。
================================
「さて、始めますか」
「あ、おーい。ここにいたのかリク。少し部屋が遠いな」
「あ、リクくん。ヤッほ」
、、、せっかく人が能力を試そうとしている中ズケズケと入ってきたのは俊太と梓の二人だった。
「お前らか、遠いってお前どこにしたんだ?」
「いや〜、梓がさ部屋は風呂がついてる方ががいいって言うから、二人でそっちにしたんだよ」
「大きかったね〜」
「ふ〜ん、、、って、え!?まさかお前ら同じ部屋なの!?」
「「うん、そうだよ(だぞ)?」」
、、、まじか〜、こいつら、、、え?おかしいのこいつらだよな?もしかしてこれが破廉恥に思えるのは俺が道程だからなのか?今時のカップルは普通に同棲するのか?え?え?
「、、、コホン。あーそのなんだ?せ、節度は守れよ?うん」
「うん!次の日に影響出ないくらいにはするつもりだよ!ね?シュンくん!」
「、、、お、おう。ど、どんと来い!」
、、、やはりおかしいのは向こうのようだ。これは童貞の俺にでもわかる。うん。、、、ちょっと自信ないけど多分向こうがおかしい。そうに違いない。
「そういや、リク、お前今なんかやろうとしてたみたいだけど何しようとしてたんだ?」
「ん?あぁ、能力の確認をしとこうと思って。明日から、基礎訓練を始めるだろ?魔法組は魔法の使い方、武力組は基本的な体力作りとか、、、でも俺の能力って生産系だから、先に準備しとかないとだしな」
「ああ、そういやそんな感じだったな?、、、ん?まさか!?お前の能力って銃とか作れるのか!?」
「え!?そうなの!?」
「おう、それも作れるし、もしかしたらアイア○マンみたいなパワードスーツも作れるかもしれないぞ」
「すげーな、、、」
「あ、危なくないの?銃とか、、、」
「魔法もあるし、何より、話を聞く限りこの世界じゃ命の価値が想像以上に低いみたいだからな。危ないからなんて理由で自衛の手段を惜しむのはそれこそ愚か者のすることだ」
「そ、だよね」
「とは言っても知ってるのは原理だけだし、実際の細かい作りとか強度とかを知ってるわけじゃないからな。どうしたってこっちの魔法に少しはお世話になる」
「そんなものなのか?まぁ細かいことはわからん。頑張れよ!」
「おう!」
「それじゃバイバイ」
そう言って二人はイチャイチャしながら帰っていった。なんだったんだ、、、畜生、、、
「さて気を取り直して作りますか」
まずは基本的な攻撃手段。とは言っても自衛を最優先に威嚇と命中制度、取り回しやすさを重視する。そうなってくるとサブマシンガンかオートマチックの拳銃が一番か、、、でもサブマシンガンとか上手く作れる気がしないからまずは拳銃からだ。
=ピロン!地球上に似た作りのものが多数発見されました。スキル所有者の知識として添付します=
え?なんだ?え?なんだこれグロック?なんだそれ?いや、銃器メイカーか、、、いやいや、そんなの知らない、いや知らないはずだ。ていうかなんで俺はいろんな拳銃の作りを全部知ってんだ?
そこで俺は神様が言っていたことを思い出した。そういや、ちょっと強化しておくって、、、え?もしかしてこれ?やりすぎじゃね?え?いいの?え?
考えても仕方がない。うん。きっとそうだ。神様だし、きっと大丈夫。うん。とりあえず近くの中庭に移動。
「えーとなになに?良さげな銃は、、、グロック?ベレッタ?ホーンいろんなメーカーがあるのな、、、とりあえず日本でも使ってるみたいだしグロック19xにしてみるか、、、えーと重量は、、、本体が625g、マガジンが79g、これを三つだから、、、862g。あ、あと弾が一発8gこれをマガジン三つ分で17×3発で408g。合計1270g。とりあえず適当にその辺の土で作ってみるか、重さはよくわからんけど、できるかな?『作成』」
そういうと、体から何かがごっそり抜ける感覚と共に目の前の土塊がイメージした通りに変わっていく。まずは小さいものから形になっていく。おぉ、弾がいくつかでき始めた!次にマガジン、、、で最後に本体か、、、これで撃てれば
成功だが、、、果たして?
そう思い、中庭に他に人がいないことを確認。一発撃とうとする。しかし
「あれ?もしかして音デカすぎてバレるのでは?」
そうじゃん、銃と言ったらその音のデカさが最大のデメリットだ。そんなこと忘れるなんて、、、そうだ!
「『魔法付与』『サイレント』」
神様にもらったもう一つの力を試す。今回は銃ではなく薬莢、つまりその火薬に音が出なくなる魔法をかけて爆発の際の音を消す。上手くいきますように、、、!
カシュッ!カシュッ! バスッ!バスッ!
トリガーを引くと機構が動く音と僅かにガスが噴き出す音、それと中庭の離れたところに着弾したであろう音が聞こえてきた。どうやら成功したようだ。
さて、この作り方で1270gのものが作れることは確認できた。しかし、さっき作るときに明らかに俺の中から何か抜ける感覚があった。ベタな設定だと魔力だろう。ステータスとか見れればいいんだけど、どうやらこの世界では今の所それをみる手段を俺たちは持ち合わせていないらしい。地球の知識をスキルの力で得られるのであればサブマシンガンも作りたいが、下手に魔力(?)を消耗して死んだりするのも嫌だから、それは明日にするか。
「ん?待てよ?そういやサイレンサーってのがあるんじゃん。あれ?でも確かあれって消耗部品だったっけ?だったら、弾一発一発に『消音』かけるよりも、サイレンサーっぽいパーツ作ってそいつに『消音』つけたほうがいいのか?」
よし、多分それぐらいならできるだろう。えっと、どうせならできるだけ軽い素材で見た目にはちょっとこだわって、そうすると、、、200gで作るか
「『作成』そんで持って『魔法付与』『サイレンス』」
おっと、、、くそ、今度は頭が少し痛いな、、、心なしか少し立ちくらみも起こしてる。これ以上は危険だしやめておこう。目安として1400gに今後は留めておく。
さて、サイレンサーを取り付けて、また次呼ばれるまで少し寝ておくか、、、
にわにはにわにわとりがいる