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実際ブリーフって高校1年生で卒業するものなのか

「マジつらたん。死ぬわ」

その日、上田亮介は高校の屋上から飛び降りた。亮介ってのは俺の名前だ。

教室で間抜けなギャルの物真似を披露していたところ、不運にもカースト上位のウェイ達から苛めの標的にされてしまったのだ。それが自殺のきっかけだ。

割と楽観的な性格の俺だったが、流石にズボンを265回も下ろされる粛清を受ければ、尊厳なんて砕け散る。

265回――1日1回に換算すれば、軽く半年は越える数値。そう考えると、あのヤンキー達は究極の暇人だったのかもしれない。

正面に迫る運動場を目視して、俺は改めて死を受け入れた。

心残りはない。家族にも親友にも遺書を残した。

「あ、でも……」

ゆっくりと目を閉じながら、俺は重大な事実を思い出す。

(今の俺、ブリーフ穿いてるんだよな……)

できればバレたくない。いや、ていうか絶対にごめんだ。

冷静に考えてみよう。もしも高校1年生の少年が自決をしたとして、その遺体がブリーフを穿いている事が判明すれば、世間は俺をどう思うだろう?

あ、あいつ最期までブリーフ卒業できなかったんだ。人生中退するならまだしも、ブリーフの方は何とか頑張れた筈だろうに。怠け者の証だな。死んで当然の屑だ。こいつの墓はいらん。ブリーフに線香を添えてやれ。

「いやだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」

ブリーフッ!!! と叫んだところで俺の視界は真っ暗になった。

このままじゃ死んでも死にきれない。せめてトランクスに穿き直してから飛べば良かった。

意識が朦朧とする。死の淵から這いよる魔手が、俺の生気を刈り取っていく。

あ、だめ……そこっ。

もう……逝くっ!

あ、ああぁ……。

逝っちゃった……。

次回、怒涛の新展開へ!

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