◆ 1話 ◆ 星駆けの始まり
2月。
柏木学園の受験が終わり今日、合否判定が出る。
そして僕はその柏木学園に受験した受験生の1人だ。
僕の名前は大松慶太。
塾のテストで偏差値は53と言われた。
この学園の偏差値は49〜79と幅が広め。
まあ問題がなければギリ受かってるでしょうというところだ。
「24309…24309…あっ!」
あったのだ。自分の番号が。
「母さん!あったよ!あった!」
「本当!よかったわぁ…でも寮なのよねぇ…」
「大丈夫だよ、心配しないで。」
「わかったわ、これから頑張るのよ。」
そして時は流れ4月。
入学式の日。
この学園は入学式前にクラスが発表される。
偏差値49〜64が後半クラス65〜79が前半クラスでこの偏差値は勉強だけの偏差値
だけではなく生活態度でも左右される偏差値。
つまり偏差値=成績のようなものだ。
そんな中僕は4組、偏差値中の下くらいのクラスだ。
他に知っている人がいないか探していたらもう入学式の始まる時間になってしまっ
ていた。急いで僕が廊下を走って体育館へ向かうときに誰かとぶつかってしまった。
「いたっ。」
声からして女の子だった。
顔を上げてみると名札には1-2と書いてあり心底焦った。
2組は成績優秀であと一歩でトップクラスに入れるほどの成績を持つ優秀なクラスだ。
「け、怪我はないですか?」
「はい、まあ。あなたは?」
「私は大丈夫です。おそらく原因は私かと…」
「いえ!僕も走っていたので。それにあなたは2組で僕は4組、だから悪いのは…」
「そういうのよくないと思うんです。成績ばっかで人を差別して、学校も何考えて
いるんだか…ってすみません!つい本音が。」
「いいんです!あっ、早くしないと入学式が…」
「あぁ!あ、あの!後でゆっくりお話ししたいので入学式が終わったら2組に来て
ください!何も遠慮なんてしないでくださいね!」
そういうと女の子は急いで何かが書いてある紙切れを持って体育館へ走ってった。
それに続いて僕も急いで体育館へ向かった。
入学式は意外とあっさり終わり、さっきの女の子は新入生のあいさつであいさつを
していた。
~入学式後~
「わっ!」
「うわっ!?…ってなんだぁヤギちゃんかよ。」
ヤギちゃんとは僕の友達の柳楽由基のあだ名のこと。
ヤギちゃんも僕と同じ4組だった。
「そういえば、けいちゃんさぁ、2組の照本さんによばれてたっしょ。」
「なんでそのこと知ってるの?」
「えっ?だってその時俺、腹下しちゃってさトイレ行ってたんだよ。そしたら
たまたま見かけて。」
「ふーん。じゃ、行ってくるわ。」
「はい、行ってらっしゃーい。」
やっぱり2組に行くのは多少の勇気が必要だった。
2組。
「てるー、4組の大松君がなんか呼んでるー。」
「今行く!」
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「ごめんね、大松君。」
「いや、全然。大丈夫だよ。んで、呼び足したからには何か理由があったんですよね?」
「う、うん。実はね…」
もしかしてもしかするとこれって…入学初日からいきなり告白とか!?
「校長先生に大松君を連れてくるようにって言われてね。」
「あぁ…」
なーんだ。そんなことか。期待した僕がバカだったよ。
そして言われるがまま僕は照本さんと校長室に行った。
「やぁやぁ、君たち。」
「校長先生、入学初日からどうしたんです?」
「実はだね君たちにお願いしたいことがあって。」
「お願いしたいことですか?」
照本さんが訪ねる。
「そうだ。君たちに惑星探索をお願いしたくてね。」
「「惑星探索ですか!?」」
惑星探索。その一言を聞いたとき校長先生は頭がおかしいんじゃないかと一瞬思ってしまった。
「といっても探索というかアルバイトというか。」
「アルバイトですか。」
僕は少々乗り気ではなかった。
「いいですよ!ねっ、大松君!」
それに比べて照本さんはノリノリ。
結局アルバイト内容は告げられないままアルバイトに行くことになった。
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「えっ!すっげえじゃん!」
「僕は全然乗り気じゃないんだけどね…」
「でも照本さんと二人っきりだろ!うわぁ、マジいいなぁ…」
「そんな下心いっぱいで話に乗ったわけじゃないわ。」
「ごめんごめん。」
「んで、結局、いつ行くの?その…アルバイト?は。」
「来週からだって。そっから一週間は帰ってこれないってよ。」
「えっ、悲し…」
「たかが一週間だろ!それに俺より照本さん側の人たちが『照本さんロス』なるんじゃないか?」
「それもそうかもな。」