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63話 城内戦

 小学校側の門が破られた。

 ノロノロとゾンビが押し寄せてくる。先頭の数体が後ろから押され転んだ。立ち上がろうとするが次から次に後続のゾンビに踏まれ、そのうち首を踏まれ頚椎が破壊されたのか動かなくなった。それ程にゾンビが密集して押し寄せていた。

 

 小学校側の門に社長達が到着した時はすでに100体近いゾンビに侵入されており、それでもまだ続々とゾンビは押し寄せていた。

 

 「これはまずいな。そこの2人は城に戻って透明マントの材料を取ってきてくれ。残りはここで食い止めるぞ。マントの材料が届いたら透明マントをすぐに作ってくれ。カズミはユンボを持ってきてくれ。」

 

 社長は短く指示を出すと小銃を構え撃つ。

 

 城内は戦場の様になった。

 小銃の音がパパパパパと響き渡る。

 

 「アキコ!弾倉を交換する。頼んだ!」

 

 社長が叫ぶ。

 

 「はい!」

 

 アキコは薙刀を振り回し群れに突っ込む。一振りで数体のゾンビの首が飛ぶ。そのままの勢いで半回転して刃とは反対側の石突きで1体の頭を貫く。

 

 「イチロー、こっちも交換だ!」

 岡が叫ぶとイチローが群れに突っ込み両手に持ったトンファーが右左と空気を裂く音を立てながらゾンビの頭を破壊していく。

 

 「交換終わった。下がれ!」

 

 社長と岡が叫ぶと2人は後ろに下がり小銃が再び発射される。

 

 「三島ぁ、手榴弾!」

 「隊長!投げます。伏せて!」

 

 バン

 手榴弾がゾンビの塊の中心で爆発するもゾンビは次々に押し寄せる。

 すでにあちこちにゾンビの死体でできた堤防状のものが出来上がっていた。

 

 「ちっ、ラチがあかんな。」

 

 岡が漏らす。

 

 「リンダ、カズミはまだか?」

 「まだー、多分燃料入れてると思う。この前燃料切れかかってたから!」

 

 リンダは小銃を撃ちながら社長を見ずに答える。

 

 「燃料はいつも入れておけよ!」

 

 社長もリンダに視線を向ける事なく小銃を撃ちながら答える。

 

 「交換だ!アキコ!」

 「はい!」

 

 小銃でゾンビを仕止め、弾倉交換の際はアキコやイチローといった接近戦に強い者がそのフォローをする。このコンビネーションが続いていた。

 

 「最後の弾倉だ!マントはまだか?」

 

 社長が確認する。

 

 「もう少しで全員分が出来ます!」

 「出来たら装備して一旦下がるぞ!」

 

 その時やっとユンボが現れた。

 

 「遅れてごめんねー!」

 「後続のゾンビが入れないように門の前に盛り土してくれ!」

 「はいよー!」

 

 カズミが元気良く答える。

 ユンボはゾンビの波を掻き分け進む。ゾンビは大きな音を立てて進むユンボにすがりつくがユンボの進行には全く影響ナシ。無慈悲なキャタピラーがゾンビを次々押し倒し踏み倒し潰す。所定の位置に着いたユンボが力強く地面を掘り、門の前に土を捨てる。たまにゾンビも一緒に掬う事もあるが気にせず作業は進む。あっという間に門の封鎖が終了した。

 

 「カズミは城内のゾンビが殲滅されるまでユンボで待機だ!」

 「はいよー!」

 「さぁ、マントも装備したし殲滅するぞ!」

 

 社長は小銃の弾を撃ち尽くしていた。他のメンバーも弾切れの様だった。ナイフや手斧、スコップをそれぞれ手にしゾンビに向かう。

 ゾンビはさっきまで目の前にいた獲物をユンボの登場で目を離したスキに見失っている様だった。

 

 1時間程で城内のゾンビを全て殲滅。皆にとってゾンビの処理はすでに慣れた作業となっていた。

 

 「やっと終わったな。怪我人は居ないか?」

 

 皆は身体のチェックをする。あちこちから「異常なし」の返事が返る。

 

 「社長さん!残念なお知らせがあります!」


 杉村がニヤニヤしながら言ってきた。


 「どうしたぁ?残念な割に嬉しそうな声だな。」

 

 社長が駆け寄るとゾンビに食い散らかされた海兵隊がいた。

 

 「あらら、殲滅中に皆気がついてたと思うが誰も助けなかったんだな。まぁ、俺が気付いても助けんが。スミスをイジれなくなったのは確かに残念だな」

 「社長よ、この死体はどうする?すげー数だぞ。」


 岡が血まみれのナイフをゾンビの服で拭きながら聞いてきた。


 「それよりも、外をチェックだな。城内への侵入は食い止めたが外の状況が分からん。」

 

 社長と岡は天守閣に登り双眼鏡で確認し唖然とした。城の周りの道という道はゾンビで溢れかえっていた。

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