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桜髪の乙女は貴族令嬢兄上様、弟を愛するために魔女、悪役令嬢へと堕落す。  作者: 水銀✿党員
聖なる母、道を示す父は堕ち、極悪な令嬢で火を粉を振り撒く
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白銀の美少女①


 ルビアは一人、誰も付き添いをつけず。手に持った手紙に記された招待の場所へと歩む。小型な体に軽快な足取りで路地裏にある。小さな店へと足を踏み入れた。


 端から見ると大きいリボンを着けた彼女は童話の迷った少女のような様子で、店に入り慣れた手つきでカウンター席に座った。


「何にします?」


「ミルクで……」


「かしこまりました」


 ルビアは酒を飲めない口だった。そんな中でクスクスと笑う者が多い中。隣にローブの男が座る。彼女はその男が手紙の主だとすぐに気が付いた。ちらりと見せる同じ髪色故に。


「……お久しぶりだな。弟よ」


「初めまして。ルビア・ヴェニスです」


「ルビア・シルバーライト」


「……」


「お前がこんな姿になってるとは思わなかった」


「……それだけを言いに呼んだの?」


「いや……」


 沈黙する中でローブの男はフードを取りワイン瓶を店主から受け取ってグラスに注ぐ。ルビアはミルクをいただき、そのまま飲み出す。


「いるか?」


「お酒飲めない」


「そうか……」


「……」


 沈黙が二人を包む。ルビアは冷や汗をかきながら隣の男性の言葉を待つ。ボソボソと声を出しながら。


「……自己紹介……自己紹介……」


「アルベルト・シルバーライト」


「……シルバーライトさん」


「アルベルトでいい。何故、家を出た……」


「………あんな糞家。居るのが嫌になった。お酒ちょうだい。イライラする」


 アルベルトはグラスを一つお願いし、ワインを注ぐ。そのままルビアは飲み干し。憎々しいと言う声で実家の文句を言い出す。


「あの家。シルバーライト家が一番であることを盲信し、その教育とかふざけたのが多い。固い家訓。男への厳しい訓練、躾で私をゴミ扱いし、誰かと天秤にかけてずっとずっと評価を押し付けてきやがった。そんな家に居たくなくなった」


「……女になった理由は?」


「男でずっと否定されて生きて来た。ずっとずっと自分が嫌いになり。鏡の自分が嫌いになり、変わりたいと思ったの。結果、化け物の人を生んでしまったわ。お姉ちゃんは私にとって復讐するためのナイフになってくれてる」


「エルヴィス・ヴェニスだな。お前が糸を引いていたのか?」


「違う、お姉ちゃんはお姉ちゃんの力であそこに立っている。私の復讐は私でやれと言われてる。ただ、違う理由で敵対してる。支援者のために……ここから先はお金頂戴」


 アルベルトは5枚金貨を横に流し、ルビアはそれを受け取りポッケに入れる。下手に出る昔からずっと上に立ち続けた兄に満足し、饒舌になる。


「ふふ、知ってるくせに。友好者はロナ・アウルムライト。シルバーライトの仇敵。ずっといがみ合いをしているねぇ~」


「アウルムライト家の目標は?」


「王政権奪取と言いつつも。あまり政権に興味ないようね。アウルムライト家の繁栄のみ。故に仇敵の弱体化を望んでる。威張り散らしてムカつくから」


「アウルムライト家も同じだろう」


「そう、同じ。まぁ、ロナが上に立つと大分変わると思う。結果、多くの妨害があることも……」


「わかった、結構有用だったな」


「ふふふ。もっとあるよぉ。面白いことぉ。お酒おいちい」


 ルビアはゆっくりと目の前が暗くなる。酔いが回り……そしてカウンターに屈服する。


「マスター、依頼料だ」


 アルベルトはそういいながら金袋をカウンターに起き、眠りについたルビアを担ぐ。アルベルトは異常な量の薬投与に冷や汗をかいていたがそのまま彼女を拐い。シルバーライト家のいる。権力者のいる王城に向かう。


 ルビアがエルヴィスの妹分であることを軽視したまま。連れ去ったのだった。



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