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桜髪の乙女は貴族令嬢兄上様、弟を愛するために魔女、悪役令嬢へと堕落す。  作者: 水銀✿党員
聖なる母、道を示す父は堕ち、極悪な令嬢で火を粉を振り撒く
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聖女の付き人


 メグルとロナは学園を歩いていた。皆で集まらずに各々が自由に動くエルヴィスの妹分たち。集合と言う号令がない限り授業以外はバラバラにおり。これに対して皆は統制が取れてないなどを噂するが、これが『魔女の会』では当たり前であった。


 エルヴィスは『襲撃の分散』と言う理由もあり。集まって一網打尽にされるのを嫌うと言う大義名分を用意していたため妹分は好き勝手に出来る。


 そんな状況の中で二人は……アイスを求めて街を歩いていた。


「今日は何を食べる? ロナ」


「バニラ以外にあるかしら?」


「チョコレートがある」


「どうしましょうね」


 二人の姿は軽い服装に剣帯をして武器と持ち。ミニスカートに片方は眼帯。片方は傷がある面のため、よく目立ち。街中でも皆が避けて歩く。騎士さえ、ゴニョゴニョと噂をする。『エルヴィス会の武闘派の二人』だと。


「せっかくだし、妹たちの見回りしてる店にしよう」


「それはいいですね。姉妹たちの店にお金を落としましょう落としましょう」


 そんな二人は自身の身内が用心棒として雇われている店に顔を出そうと決めた時、ふと怪しげな雰囲気を感じとり後ろを向く。足音が多い。


「あら、大行列ね。メグル」


「ロナ、なんだろうか?」


「聞けばいいんじゃない」


 後ろを向くと、数十人の学園のお嬢様方が立ち。その中で一人。銀髪の令嬢が一歩前に出る。


「こんにちは。アウルムライトさん、ジゴクさん。初めまして。イルミ・シルバーライトです」


「シルバーライト家……まぁその髪を見たらそうね。何かしら? そんなにゾロゾロと」


「ふふ、一つ交渉に参りました。あなた方のそのお顔を『聖女』さまが癒してくれるそうです」


「「……」」


 メグルとロナの二人は肩をすかし、振り向いて無視をする。そのまま店に向かって歩きだし、イルミが大きな声を出す。


「ちょっとまちなさい!! 癒してあげるって聞いてなかったの?」


「ロナ、だそうよ」


「メグルこそ……いきなさいよ」


「じゃぁ、いっせいのーで振り向こう」


 二人は『いっせいのーで』と言い振り向く。そして、舌を出す。


「「やーだ!!」」


「は!?」


 二人はその行為に不思議な表情に笑い出し、イルミの背後の付き添う令嬢たちがざわつく。


「どうして!? その傷で殿方と結婚は無理よ!!」


「だってさロナ」


「メグルこそ……モテるでしょ」


「うーん。嬉しい事に話はある。それよりも、イルミと言った人。『聖女』に伝えておけ。この傷は誇りであり姉貴はかわいいと褒めた面だ。汚すなら覚悟しろとな」


「メグルずるい。私も伝えといて……この眼は親友との対価であり、罪であり、絆。そして私の自己表現方法よ。それを奪うっていうのなら。アウルム家『隻眼』の私は剣を抜くわ」


「つっ!? 『聖女』に楯突くってこと!! あなた方を味方にしてあげようと言う優しさなのよ」


「ハイハイ……あんたね。私はアウルム家でそれも当主候補。シルバーライト家は敵よ」


「同じく。親友の敵は敵。それに……幹部でもあり妹分数十人に裏切り者として背中を見せる馬鹿はいない」


「はぁ? 令嬢がそんな気持ち悪い事を言ってどうするの!? 結婚第一じゃない!?」


「メグル行こう。価値観が違いすぎる」


「ええ、ロナ。ついてくるなよ」


 メグルが一睨みし、令嬢達をビビらせる。ロナも同じように睨み、そして気にすることなくその場を後にした。イルミ・シルバーライトはただただ歯ぎしりし、そして……にやつく。いい度胸だと二人を愚か者と評して。





「おじさん。バニラとチョコレートを2つ」


「あいよ。コーンでいいな」


「ええと、そこの席で食べるからカップで。会計はツケといて」


「はいよ」


 メグルは最近始めたと言う、お店に立ち寄り。鉄の冷たくなっている箱に入ったアイスをくりぬいて陶器のカップに乗っけるのを見ていた。バニラとチョコレートの入ったカップを受け取り。ロナの元へと向かう。


「はいロナ」


「ありがとうメグル。ああ、美味しい~俗世のおやつと馬鹿にしてた昔の私をぶん殴りたい」


「俗世のおやつかぁ? 作れるのが魔法使いだけの専売特許だから。魔法使いしか入れないし」


「魔法使いを馬鹿にしてた時代があったの。うーんうまい。食べないと溶けるわよ」


「まぁ……うん」


 机でメグルとロナはそのままアイスを食べ、時間をゆっくり過ごす。そして……今さっきの話へと移った。


「にしても……顔を治すからこっち側には驚いたわ。メグルはどう思った?」


「ぶっころそうかと思った」


「よく耐えたわね」


「姉貴に迷惑かかる」


「ああ、姉さん怒るでしょうね。でも『聖女』の令嬢よ? かかるかしらね?」


「姉貴の方法で勝つ。姉貴が手を振り下ろすまで待つ。振り下ろしたら……首を跳ねればいいさ」


「おお、こわいこわい。そんな事なるかしら?」


「どうだろう。どうだろう。わっかんね。それよりも、接触があった事を報告」


「明日でいいじゃない」


「まぁ明日でいい。今日は姉貴は男の所だしな」


「男ねぇ。ヒナト・エーデンベルグでしょ。イケメンよねぇ」


「手を出したら手を切られるぞ」


「ばっか、怖いこと言わないでよ。ただ、感想よ。それに今は婚約者候補いっぱいいるのよ? それを選らばないといけないの」


「大変や」


「メグルもでしょうが!! モテるんでしょ、騎士から」


「私に勝つか、私がいいと思ったらだな。まぁ……誰と結ぶんだろうか」


「誰になるんでしょうね。メグルちゃんとロナちゃんは」


「姉貴!?」「エルヴィス姉さん!?」


 二人は色々な男を考える。そして……エルヴィスの令嬢教育を思い出しながら早く身を固める事を決意した瞬間に声の主に驚いて席を立つ。


「席立って挨拶しなくていいわ。隣座っても?」


「もちろん姉貴!! こちらへ!!」


「エルヴィス姉さん。何故?」


「見てわからない? 栄養補給よ」


 エルヴィスは大きいカップに何個もバニラアイスが入っており。それを机に置く。


「甘いもの好きなの」


「姉貴……それ全部食べたら太るような」


「ふふ、二人とも。私ね、たべても太らないの」


「エルヴィス姉さん。ぶっ飛ばしていいです?」


「だーめ。ふふふ。いただきます」


 二人はエルヴィスの暴食を眺めつつ。今さっきの出来事を報告し、驚くような返事を聞いた。


「明日、『聖女』と密会します」


「姉貴!?」


「皆にこっそり伝えてね」


 二人はエルヴィスの顔を伺ったがエルヴィスの考えまでは全く読めなかったのだった。






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