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桜髪の乙女は貴族令嬢兄上様、弟を愛するために魔女、悪役令嬢へと堕落す。  作者: 水銀✿党員
聖なる母、道を示す父は堕ち、極悪な令嬢で火を粉を振り撒く
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学園内の勢力争い


 私は自分の力の根本原理を何となく理解し、教室で魔法使いや新たな令嬢とはなんとするかと教えていく。そんな中で『魔女の会』の幹部会を行う。すると議題は『いかに聖女を倒す』となっており、これに関して私は……宣言を出す。


「皆さん……では。幹部以下、妹分合わせて会議を行います」


 沈黙するホール。私が用意した場所に多くの令嬢がケーキとともに静かに私の声を聞く。幹部以下全員に私はこれからの意思を伝えようと思う。


「数日前から噂されています。大司教様との密会ですが……これに関しては釘を刺されておりません」


 沈黙の中でざわめきが起きる。そう、教会に行った事が噂で広まり説明を求められていたのだ。内容は話すわけにはいかない。


「教会は静観すると言うことですか?」


 一人、代表者の妹分が手を上げて質問を投げ掛ける。


「いいえ、教会も一枚岩ではありませんが少なからず多くの者は向こうに着きます。ただ……ん……」


 口を私は濁す。こんなのは悲しすぎると思うのだ。


「多くを言えませんが。情けない事に私の目的はどうやら達せられるようです。では、次の目的を目指さないと行けません」


 妹分がまたざわつく。幹部として任命していたバーディスが立ち上がり声を張り上げる。


「エルヴィス!? 解散するつもり!!」


「ばっか!! 目的を変更するのよ。現に『聖女』を相手にする必要はなくなったの。ヒナト・エーデンベルグも動き出した。私は……勝ってしまったの」


 立つバーディスの隣にいるメグルが肩をたたく。同じようにルビアも肩を叩いた。


「バーディス姉貴……静かに聞きましょうや。確かにあの憎たらしい顔面に拳を叩き込めないのは悔しいですが。うちらは姉貴の元で集まってる。大将が戦争しない言うんやから。従うべき」


「バーディス姉さん。エルヴィス姉貴は勝ったんです。喜んであげましょうよ」


「くっ……ごめんなさい。個人の怨嗟だったわ。エルヴィス、いいの? バカにされるわよ」


「バーディス。私がそんな批判でどうにかなる令嬢かしら?」


「……違うわね。あなたは男らしいから」


「でしょう? まぁ、ここでそれは終わりです。ですがね……そうと言ってられない事情あるでしょ。アウルムライト!! 発言を許す!!」


 私はメグルの隣に座っていた。新たなアウルムライトの令嬢。ロナに話をふる。ロナは頭を下げ、立ち上がるとそのまま話を始める。隻眼の金髪令嬢は静かに口を開けて演説する。


「発言を許されました。『隻眼』です。今回、外ものでありながら参加させていただきありがとうございます。最低な姉妹たち」


 『最低な姉妹たち』と悪態をつく。品のない言い方を笑顔で言い。エルヴィス以下皆はクスクスと笑う。


「最低な姉妹なんて。あなたも同罪でしょうに」


「ええ、最低な家から、こんにちは。エルヴィス姉さまの威を借り、アウルムライト家で頭角を示しましたのですが。喜んでください。シルバーライト家が喧嘩を売って来ましたよ」


「「「「オオぉ」」」」


 喜べる事かしらと私は思う。まぁ、もう引けないのだ。引けないからこそ大変である。私は思う。ベットの上で死ねないかもしれないと。血に飢えた狼のような妹分にここまでした責任を取らないといけないと考える。


「ふふ、慌てない慌てない。今、二つの勢力化が顕著です。アウルムライト家、シルバーライト家がエルヴィス姉とエーデンベルグ側で代理抗争となってきていますわ」


「エルヴィスにはやる気を出してもらわないといけませんね。レッドライト家の私もこっち陣営です。そういえば……ブルーライト家のセシル、グリーンライト家のハルトもこっちね。あら、結構多い」


「そういう事です。エルヴィス姉……途中で剣を納める事は出来ない所まで来ていますよ」


「ふぅ……」


 私は何とも言えない気分になる。妹分の視線が突き刺さる中で私はどうすればいいかを皆に示す必要がある。


「勝った先は……あまりよろしくないかもしれませんよ。令嬢の本分を忘れてませんか?」


「姉貴。安心してください……婚約者などは自分で探します」


「正直、私は既にいるのよね……」


「……私はどうしよう」


「ふふ、私の家の男をつまんでいいですわ。アウルム家の」


「「「「お断りします」」」」


「……まぁ。アウルム家は腐敗すごいから。皆さん、お願いしますわ」


 何とも、恐れずいる妹分に私は苦笑いを溢す。


「皆さん、では……大人しく行きましょうか」


「「「「はい!!」」」」


 会議はそのまま細々な報告会となり、平和にお流れとなるのだった。







 

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