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第二十二話 立て、堂々と

復活!忙しすぎる中復活!

そして雑で今回短め申し訳ないです。

「お願いだから早く出してくれ!」

「どんな理由があろうと明後日の正午まで門を開けることはできない。これはこの町の法律で決まってんでね」

「誰だそんな面倒なのたてたやつ!」

「タロウ様だ」


 なんでそんな面倒なのを作ったのか小一時間問い詰めたい。

 しかし、当の本人はパレードの真っ最中で問い詰めることもできない。


 なら俺はどうするべきなのかと聞かれたらこう答えるしかない。


「今すぐどこかに隠れないと…………」


 実際、絶望的な状況下にあるってことには気づいている。

 あと数分もすれば追いかけてくるに違いない。

 門が開く前になんとしてでも隠れなければ!


 え、城壁を飛び超えたらいいんじゃないかって?

 どうやらかなりの規模の障壁がこの街を囲む城壁に張られているらしい。

 詳しくは知らないから俺一人じゃ突破に時間がかかるのは明白なんだよ?


 ああ、もうどう隠れようか分からん!

 いっそのこと堂々としていようかと思うほど彼女の嗅覚、物理的な方じゃなくて感覚的な方は鋭いからな。


 よし、諦めよう。

 見つかったらメリルの時みたいに説得、もしそれが上手くいかなくて凶行に走るなら…………


 はっ、自分でやったことだけど想像したくないな。








 〜●〜●〜●〜●〜








「何も起きなかった!」

「ちょっと、食堂では静かに!」

「ご、ごめんなさい」


 翌朝、目が覚め何事もなく朝飯を食べてた俺は叫んで店主に怒られた。

 だって夜這いくらいしてくるもんだと思ってたんだもの。

 最悪、夜中の戦闘が発生するかもしれないと危惧していたが気づいたらぐっすり眠っていていつも起きる時間まで目が覚めなかった。


 な、何事もなければいいんだ。

 そうだ、朝になったことだしそろそろ外に出よう、一刻も早くこの街から出なければいけない気がする。

 へへへ、あえて人目がある場所を通れば有名人なアリエルはあっという間に民衆に囲まれて行きづらくなるはずだ。


 オークションの件は放置しといて構わないだろう。

 どこかの商業ギルドに行って確認すれば入金はされるだろうから問題はない。

 もう追っ手が来てる以上、俺は行かなきゃいけないからな!


 もうここにいる理由はないし、このまま外に…………


「あら、そこにいるのは迷える青年さんでは?」

「あ、急いでるので」


 メルシー教だったかシルーメー教だったか忘れたが、この前に話が長そうな宣教師に再会してしまった。

 早く出たいって時に都合よく妨害が入るなんて/


「もしよろしければ私の馬車に乗りますか?」

「え?いや、行き先も違うかもしれないのに相乗りってのは」

「見たところ、どこかに行くあてもないけれど一刻も早くこの街を出たい…………そうではありませんか?」

「だったら?あんたには関係ないだろう」

「それも、女性関係」


 まるで全てを見透かすようなことを言ってやがる。

 教会には確か懺悔室というものがあり、そこに悩みや罪を持った人々が来て自らの悩みや罪を聞いてもらうという。

 宣教師というだけあって経験は多いはずだ、俺のわずかな挙動や反応で見抜くことができるのだろう。

 宗教というのは相手の心を見抜かなければ宣教師なんて出来るはずがない。

 何故なら救うと言い相手の心を丸裸にしなければならないからだ。


 勇者時代の勧誘も厄介だった。思えばその時にタリナ教もルメシー教もいたような気がする。

 もう思い出せないが何かからの解放とか言ってたような…………


「相当悩んでいらっしゃる様子ですね。よろしければ馬車の中でお聞かせください。私は宣教師だけでなく懺悔の方も担当してますの」

「…………そうさせてもらおうか」


 少し悩んで、俺は懺悔することを決意した。

 今までは1人で頑張ってきたが、彼女達のことについて他人に相談したことは一度もない。

 別に入信するわけでもないし元勇者が懺悔くらいしてもいいだろう。


 視線も特に感じないし、まさか俺が特定の宗教団体が所有する馬車に乗るという考えには至らないだろう。

 かつては勇者だったけど、今はただの行商人。それに迷えるものというのは間違いじゃないってのがまた何とも言えない。

 昔はただ戦って人々を魔物の脅威から救うだけでこれと言ったことは考える余裕はなかった、もちろん恋愛とか性欲も含めてだ。


 誘われるままに宣教師を待つ馬車に案内されて俺は馬車に乗り込み、その後に宣教師が乗りこんですぐ発車した。

 ゆっくりとだがカタカタと馬車に揺られ、俺と宣教師の二人っきりかつ対面で、しかも無言で座っている。

 あいつら(・・・・)が見たら殺しにかかってきそうだ、宣教師を。


 そんな馬車に揺られ、気づいたら俺たちは町からひっそりと出ていたのだった。


これは一つの分岐点、しかし分岐点は無限に続く。

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