第二十一話 天才と特別ゲスト
忙しい…………更新できない…………待たせてすみません…………
「ごうがーい!ごうがいだよー!」
この町に滞在して早五日、ようやく仕入れをようやく終えてひと段落したところに紙をばらまく男性が走っていった。
あの筋肉量都足の速さ、もしや魔王存命時期に斥候か伝令でもしていたのかな?
さて、ごうがいとい言うのはなんだろう、と思うとでも思ったか。
ごうがい、号外とはこの町ではやっている『新聞』という商品の一つで有事の時に皆に情報を知らせるために紙をタダでばらまくのだ。
新聞自体もかなり安いらしく、ほとんどの家がとっているらしい。
この町のほとんどの世帯がとっているとなればかなりの稼ぎになっているだろう。
しかし、どこから情報を集めてくるってのが疑問なんだよな。
主に天才君がなにかして今日何をしていたとか、昨日の事故の原因とかは分かるけで貴族のスキャンダルまで載ってたりしていた。
これも例の天才君が考えたから貴族のことも載せられるのかな。
そうそう、号外として配られたのは一体何だろなっと…………
え、あの魔導馬車完成したの!?
ついこの間まで暴走していたのにもう実用化できるってマジかよ!
だけど流石に売りには出さないか。
どうやら皇帝に献上するらしいが、まだ先のことになりそうだ。
…………何故だ、あいつのことだからこれを利用した陰謀からの事故死を免れそうな気がする。
いけ好かなくても一つの国の頂点に立つ男だしそんなイメージが湧いても仕方ないか。
それに今日の夜にパレードを行うだって?
おいおい、それはいくら何でもそう急すぎやしないか?
せめて完成した魔導馬車には製作者ではなく皇帝を乗せるべきだ。
これも皇帝のもとにあるって示さなきゃいけないだろう、しかし例の天才君、確か名前はタロウだったはず、いささか?強引じゃないか?
客観的に見て自分はすごいんだそーという自己主張が激しすぎる。
あの塔もそうだしいたるところにタロウ製品と名前がついてあったりしている。
うーん、やっぱり権力が欲しいっていう魂胆が丸見えだな。
ま、政治のゴタゴタは下々の民が巻き込まれないくらいにしてほしいな。
もっとも、元勇者が介入するなんて羽目にならないことを祈ろう。
ま、それはさておきパレード見たいし夜まで待つか。
あれって見る側は良いけどしてる側はかなり大変なんだよな。
笑顔造ったりずっと手を振ったりしないといけなかったし。
よくまあこんな費用もかかるわ人手もかかるものをやりたがるな。
ま、偉くなりたいってなら普通のことと思うか。
政治ってよく分からん。
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夜になった、と言っても昨日までは街灯という明かりがちらほらあってほんのり明るく人通りもすく兄が今日は違う。
なんたってこの街の発達に貢献した人物がパレードを行うのだ。
通行人に聞くと発明が完成すると毎回やるのだとか。
それ予算とか無駄につぎ込んでいないか不安だ…………
ごった返している人が衛兵たちのより一気に二分される。
真ん中を封鎖する当たりどうやらここを通るらしいな。
ちょっと前の方にいたから割と近くで見られるからラッキーだな。
「タロウ様のおなーりー!」
ドラゴンの一鳴き、まさにそれがふさわしいかのように人々がキャーキャーワーワー言い始める。
本物のドラゴンが鳴けば恐怖の悲鳴が上がるんだけどこれは違うよな。
俺の時もこんな黄色い悲鳴がってたな。
歓声に交じってブロロと音が聞こえてくる。
こんなに大きい声が響いていても聞こえるとかちょっとどうかと思うんだが?
あ、見えてきた見えてきた。
あの時に見た魔導馬車に引かれてる大きな荷台に例の天才君が乗っているんだな。
見た感じは黒髪黒目で…………普通だな。
どうしよう、ぶっちゃけ詩人でもないがそれなりにいいコメントできると思ってたけど普通しか思いつかない!
むしろなんであそこまで普通なんだ!
いくら天才とは言っても特徴がなさ過ぎて本当に何も言えないよ!
ま、まあ容姿くらいどうでもいいだろう。
俺だって女顔ってさんざん言われたから何も言うはないよ…………
しかし、女で周りを固めて何のアピールのつもりなんだ?
髪の色も赤や青、緑にピンクとカラフル過ぎて余計に天才君が地味に映ってしまう。
これ完全に配役ミスでしょ、絶対にこの配役した人はセンスないな。
ミ ツ ケ タ
…………なんだ今の悪寒は!
いや、悪寒だけじゃなく知ってる声で幻聴まで聞こえた!
い、いやー、最近ピリピリしちゃって疲れてるのかな?
ループの時の記憶が暴走して幻聴が聞こえたり?
は、ははは、所詮は幻聴だ、目の前で俺に向かって手を振っている騎士も幻覚だ!
かえる!おうちかえる!
あ、流浪の民に近いから家がないんだった畜生!
ええい、今から旅立つ予定変更だ!
ふはははは、独り身だからできる荒技だ、もう追いつかれるような真似はしない!
これで見納めだ天才くん!
もう二度と会うことも見ることもないだろう!
そう思っていたが、即座に出ようとしたらパレードを行った日は丸一日門が開かないことを知らされ絶望の淵に立たさられるのだった。




