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Trival Tweet  作者: fulldrive
序章 つぶやき
1/20

There we because I think we



問うてみる


君が君なら


僕は誰


Trival Tweet





初めて死体を見た時、僕はそれ程驚かなかった。

そう言うと誰もが僕を異常だと言う。


実際に目の前で人が死んでいる様子なんて見たことすらないくせに。

あたかも見てきたかのように言いやがる。


気持ち悪い。


そんな自分を正当化できる精神が既に異常だと思う。

きっと自分達の正義に酔っているのだろう。

ちょっと指摘してしまえばあっさり壊れてしまうような、ちっぽけな寄せ集めの正義を振るって何がしたいのだろうか。

というか、恥ずかしくないのだろうか。


大の大人が1人の子供に対して『お前は異常だ』なんて、小学生かよ。

馬鹿馬鹿しい。


いや、最近の小学生はそんなことしないか。どうなんだろう?


まあ、取り敢えずそういう大人は精神年齢がまだまだおこちゃまなのだ。

年だけとっている幼稚園児以下。


某外見が小学生の探偵の逆だな。

何それめっちゃ笑える


大人が言ってることは『真実は多分一つ!』って言ってるのと対して変わらない。


そんだけ、脆くてあっさり覆してしまえるような弱い理屈を押し通すために、暴力や権力を翳して大人は子供から自由を奪う。


中にはそんな事しない優しい大人もいるとは思うが、少なくとも僕は優しくない大人が周りにいる環境で暮らしてきた。


僕の家では子供が親に文句を言ってはいけないのだ。

一言でも言えばそれだけでぶん殴られる。

説教というオマケ付きだ。


それをもう17年もして来たと思うといよいよ自分のメンタルの強さを褒めたくなる。



さて、家の文句はここまでにして最近僕には気になる人がいる。


別に恋してるとかそういう甘い感情ではない。


人として興味があるとでも言ったらいいのだろうか?



勿論僕はこんな性格だから学校でも所謂、ぼっちである。


いや、そもそも友達なんて要らないっていうのが僕の主義でね。

あんなものいたらいちいち気を回さなければいけないから作りたくないんだよ。

だって、誰でも自分の事だけ考えて生きていきたいでしょ?

だから作らないのさ。


話がズレたけど、ぼっちの僕は当然のように休み時間なんてものすごく暇だ。

寝るか本を読むぐらいしかやることが無い。


で、その日もぼけーっと頬ずえをかいて微睡んでいたら隣の席の......何ていう名前だっけ?まあ、いいや。兎に角隣の席の女子が僕に声をかけてきた。


彼女はクラスでも1位、2位を争う美少女だと聞いたことがあったけど僕は基本的に傍観してるので彼女の事は小耳に挟む程度だったけど顔は一応知っていた。(だってほら......可愛いじゃん?)


そんな彼女が僕に何かしらの用があるときた。そうじゃないとわざわざ隣でうとうとしてるこんか陰キャに声をかけたりなんてしないだろう。


彼女は僕に近づくなり、


「君、絶対暇でしょ?」

と、かなり失礼な事を言った。


確かに暇だが?どうかしたか?


「それがね、私も友達居ないから暇なの。ちょっと話さない?」

おぉ、マジか。こんな顔立ちがいいなら異性同性問わず、誰でも友達になろうと寄ってくるもんだと思ってたけどそうでもないのか。


「そうだね。基本的に私に寄ってくるのはノウハウを得ようとしてる輩だけだから...」

成程、人気者は辛いねぇ...。陰キャで良かった。


「でも、貴方って結構クラスで浮いてるよ」

......マジで...?


「マジで」

......。


「......」

...僕の輝かしいスクールライフがァ...!!


「いや、陰キャのスクールライフが輝かしい訳無いでしょ」

む、確かに。一理ある。

でも、だからといってクラスで浮いてるとはなぁ、気づかなかった。


「いやいやいや、それこそだよ。だってクラスで陰キャって貴方だけだもん。そりゃ目立つよ」

思わず僕は周りを見渡す。


..................はい。


そうですね、僕だけですねはい。


「ね?そうでしょ?......あー、話が逸れたね。でね、...」

サラッと話を戻しおったぞ、この女!?

僕にとっては重大な問題だというのに!


「“Trival Tweet”って知ってる?」


......とり...な、何だって?


「“トリバル ツイート”、ね。つまらないつぶやきって意味」

ほうほう、で?それが?


「何かね。君みたいなやつが書いてそうな作文がたくさん載ってるんだよ、そのサイトに」

あぁ、webサイトの事か。初めにそう言ってもらわないとわからん。


「で、それに出てくる文章がとても面白かったの。SNSやってる?」

ま、一応はね。

あ、でも今連絡先は教えないからな!変な噂たっちゃうから!


「良かった、後で連絡先教えてね。リンク、貼っとくから」

お、おう...。

見るのは強制なのか......!


と、言ったきり彼女はスタスタと去っていってしまった。


あ、そうか今放課後だ。帰らねーと。



まあ、帰ってから見てみるか。

...なんか後悔しそうだけど...。





実際後悔したのは言うまでもない。



僕はこのサイトを見て以降、インターネットが嫌いになってしまった。


それも全部、このサイトのせいだ。


あぁ、僕の趣味の一つ、ネットサーフィンを奪った元凶のこのサイトを作った糞野郎はどこのどいつなんだろう。


会ったら引っ張り出して...............どうしよう?


そうだな......僕の書いた駄文でも読ませとこう。





その日の夜、僕は家に着くなり早速彼女からのメッセージに気づいた。


やはり例のサイトのリンクが貼ってあった。


恐る恐るタップして、webサイトにジャンプする。


は?



これが初見の感想だった。

きっとこれは誰もが漏らすだろう。


スマホの画面に映し出されていたのは、どこかの国の内戦の写真だった。


撮影者は余程ショックが酷かったのだろう。写真はブレまくっていた。


そこには勿論、モザイク無しの死体が写っていた。


どれも筆舌にし難いものばかりで人がここまで壊れることが出来るのか?と思ったくらいだ。


あまりにも見難いので下にスクロールしていくと、丁寧な日本語で書かれた文章が目に止まった。



それはとある兵士の手記の様だった。

どうせ、碌でもない内容なんだろうが、さっきの写真の死体について一刻も早く忘れたかったので、取り敢えず読んで見ることにした。


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