エピローグ
地獄…もしも本当に地獄があるならここが地獄かと思うほど暗く禍々しい雰囲気を醸し出す所で戦いは終わりを迎えようとしていた…
「ここまでだぞ、ベルダンテ…」
少年、和希は目の前に佇む巨大な物に言葉をかけた。
「ふんっ、人間風情でここまで来れたことは褒めてやろう…
だが、それもここで終わりだ…この私邪王神ベルダンテが、お前達とお前達に力を与え平穏にふけっている愚かな神どもを纏めて殺し新たな神話の時代を築く!」
巨大な物…それは物ではなく神、そしてその神は言葉とともに和希とその周りにいる人間を見渡した…
1人の女が和希の横から前へ出た、
「ベルダンテ、それはお前の妄想だ。
お前が私たちに勝つことは出来ない、他の邪神達が勝てなかったように…
そして平和を望む神々と世界中の人々のために私がお前を葬る!」
腰に掛けてあった鞘から漆黒の刀身をした刀を抜きベルダンテへと向ける
「朱音…」
和希は戦闘態勢に入った朱音へと目を向ける
「大丈夫だ、あんなやつ私達がやればすぐ終わる…早く倒して帰ろう…和希。」
朱音はそう行って微笑みを和希に向けてまたベルダンテへと顔を向ける。
和希は朱音に頷き今度は後ろを向く、そこには12人の苦楽をともにしてきた仲間達
がいる、
「うし、お前らこれで最後だ…さっさと倒して帰るぞ!」
仲間達ににかっと笑いながら告げるとベルダンテの方へ向きなおす…返事を聞かずに、
いや、返事は聞かなくてもわかってる。だから何も言わない、
今は相手を倒すことだけが全て…
「いくぞ!ベルダンテ!
『咲け、氷華』…」
和希の右手にまるで氷のような刀身をした刀が現れる…和希がつかを握った瞬間あたりが氷で覆われる…
…どれだけ時間が経っただろう。数十時間かもしれないし、数分かもしれない、ベルダンテと和希達の攻防は激しさを増して行ったがそれも終わろうとしていた…
「『神武•弓型 貫式 天使月光』」
最後方で弓を構えた金髪ロングで後ろに天使の羽を5対生やした女が極光を纏った矢を放つ…
ベルダンテの幾重にも張った結界を貫いていく…
「セラ、ナイス!
『神武•剣型 覇式 絶氷華』」
和希の刀から放たれた白と黒が混ざった氷はベルダンテへと直撃する
「ぐっ!神殺しの氷かっ、!」
ベルダンテが苦しそうに怒号をあげ、右手に魔力を貯め始める。
「朱音っ!」
「あぁ!分かってる!
これで終わりだ!『神武•剣型 終 …死閃』」
朱音の刀の刀身から放たれた黒い光が斬撃となってベルダンテを切り裂く。
「まだだ…まだ終わらんぞ!」
和希と朱音の攻撃で深手にあったのにもかかわらず耐え抜くベルダンテ、右手に集めていた魔力は先ほどよりもはるかに大きくなり輝きを増している、
「ちっ、まだ殺しきれないのかしぶとい!」
和希は顔をしかめる、
すると和希の背後から
「大丈夫これで終わらせる!」
「若!」
後ろから飛び上がり宙に浮き呪文を唱え始める、
「我ら楽園の使徒が汝を呼び醒す…」
(っ!あれをやるのか…)
呪文を唱える若の周りの歪んだ空間を見てベルダンテは目を細める。だが、次の瞬間口元は笑みを作る
「ふんっ、何をしようとしているのか知らんがこの世界もろ共滅びろ!『邪王覇球』」
ベルダンテの右手に収束していた魔力の塊が若の方へ投げられる。
「させねぇよ 『怠惰の領域』」
和希がベルダンテの技の前に立ち塞がり手を前にかざす
すると何もなかったようにベルダンテの技が消失する。
「な、なにっ!何をした!」
ベルダンテが焦りの混ざった声で叫ぶ、
「若っ!行けっ!」
(和希、ありがとう)
若は小さな声で呟く
「『嗤う深淵』」
若の周りの歪んだ空間から黒い極光がベルダンテを襲う…
「くっ、おのれ…我が死のうともただでは死なんぞぉぉぉぉ!」
空間にベルダンテの声が響き渡る
すると空間が鏡のように割れ出す…
「お前らも空間ごと道連れだぁ!」
ベルダンテが和希達を睨みつける、
「ちっ、悪あがきしやがって、
おいお前ら俺がこいつを押さえとく、その間に近くの空間の狭間にはいれ!どっかの世界に飛ばされると思うがまたずく会える!」
「っ!和希は…和希はどうすんの!」
朱音が涙ぐんだ声で和希に叫ぶ
「大丈夫だ朱音…またすぐ会える…俺がどこに行ってもまた会いにきてくれるだろ…?」
和希は朱音に精一杯の笑みを浮かべてベルダンテの方に向き直る
「若!あいつらを頼む!」
「んっ!絶対、絶対生きてろよ!」
若はそう叫ぶと立ち尽くしてる朱音を抱え空間の狭間を目指して駆け抜けていく…
「ふんっ!仲間を逃がしたか…だがお前だけは死んでもらうぞぉ、楽園の王!」
「死んでたまるかベルダンテ!うぉぉぉ!」
ズドォン!!
この瞬間この空間は終わりを迎えた…




