逝き先が決まったようです
「スローライフで分身ですか……あぁ、こちらの世界が合致するみたいですね」
変使が何も無い中空を眺めて、何かを操作するように手を動かしている。
傍目から見てると、キマってる人だ…怖い。さすが変たi
「おぶぅ!!」
「次は警告抜きでカますっつっただろあぁ、この糞粕が!!」
笑顔が全く黒くない!なのに殺気ほんとパないッス!!
「神々が統べる地、エルダーライン。この地の神の1柱である幻影と夢幻の神ライティの加護のアビリティに【分身】が有りますね。此処にされますか?」
「拒否権は?」
「ほぼ、ありません」
「他の候補地は?」
「魂量が規定値を割り込んでいて、【スローライフ】、【分身】の検索両方にヒットする地はエルダーラインのみですね。どちらか片方なら、幾らかは選択肢も広がりますが?」
「いや、もうそこで良いスわ」
「かしこまりました」
「受付はあちらです」
変使が手を向けると、何も無かった空間に扉が実体化し始めた。すると、何を思ったのか【輪廻転生課】にたむろしていた連中が口々に何か騒ぎながら、我先にとその扉へ飛び込んでいった
「俺様の栄光への扉が開かれたぞ、いざ参る」
「奴隷ハーレム万歳!!」
「私の王子様が待ってるわ!!」
「誰かに依存した自立出来ない女ね。私は(貰った)実力で成り上がってみせるわ!!」
「魔力チート!」
「武装チート!!」
「空間チート!!!」
「チート・チート!!!!」
もう訳分からんわ
「山田様は行かれ無いのですか」
「焦って行っても、ノンビリ行っても、行き先は変わらないんだろ?むしろアイツらは何も決まってないで、喚いてただけで突撃している気がするんだが…そもそもエルダーなんちゃらに行くの俺だけなんじゃないんか?」
「仰る通りです。なので、彼ら彼女らは少し面白い状況になると思いますよ。転生課で騒いでいた報いもありますし」
「そうなのか?」
「えぇ、まともに相手を致しましたのも、山田様お一人でしたでしょう?」
「あれ?そうだった?」
「えぇ、なにしろ転生課の担当は私だけですから」
「勤務時間が大変そうだなぁ」
「あまりバカは相手にしませんので」
またサラッと毒吐きやがった。貼り付いた笑顔ってコイツの為にある言b「ヘブゥッ!!」
「それでは逝ってらっしゃいませ」
ぶん殴られて扉に転がり込んだわ




