戦神の祝福
神殿に信託が下った
戦神の祝福だ
つまりこの地域一帯が戦争状態になったという事だ。
戦神の祝福はその地域一帯全ての神殿に下される。
そのため、この世界は隠密での奇襲というのは余り向いていない。
もっとも満足な防衛設備の無い片田舎の村に、それが救いとなるかと言われたら、全くそんな事には成らない
領主の早馬が到着し、徴兵が行われている。猟師で弓の扱いが上手いオヤジは真っ先に徴兵された
「レイ、俺はこの村で生まれこの村を愛している。村を守るためにも行ってくる。母さんと家族を頼んだぞ。お前は長男だし、俺と違って出来も良い。母さんやエリスにアトスを頼んだぞ。エミル、子供達を頼むぞ。エリス、アトスや兄さんに母さんを困らせず、良い子で待ってるんだぞ?」
泣き縋って、オヤジを引き止めていたら、徴兵にきた領兵に蹴り飛ばされた。
「おいガキ!!今は時が惜しい!!邪魔だてするなら斬り捨てるぞ!!」
行くな、父ちゃん。行かないでくれ…
ボロボロ泣きながら父ちゃんを見ていたら、はり倒された
「男が何時までもメソメソするな!!元気な姿で帰ってきてやる!!」
村の男衆が隊伍を組んで出征していく。
父ちゃん……馬鹿野郎が…
生きて帰って来て下さい。神様方お願い致します。
どうか父ちゃんをお願いします




