両親
産まれてこの方、父親らしい気配が無かったが、今朝は様子が違うみたいだ
目覚めると、知らない匂いがした。
くんかくんか…
嫌いな匂いじゃない…
「お、起きたかな?」
男の野太い声がするぞ。こりゃ親父か?
産まれてこの方、俺様の生誕を祝福せず、どこをほっつき歩いてたんだ?ちょい悪親父気取ってんのか?
「小さい爪だなぁ。ああ、いよいよ俺も父親か…。レイ、元気に育てよ。エミル、レイが起きたぞ」
遠くから、母ちゃんの声が聞こえる。
母ちゃん、この駄目親父を叱ってやって!
親父は俺の手をツンツンしてギュッてさせなり、餅肌つるつるのほっぺを弄くり回してる
酷い……ワタシ…玩具にされてる…
「パパ、レイの事見ててくれてありがとうね。それと、今回は大物だったから、レイのお祝いも兼ねて豪勢にしますね」
「うん。出産すぐだってのに、もう大丈夫なのかい?」
「えぇ、母親はね、強いんだから」
「そうか。でも、もう君だけの体じゃないんだ。あんまり無理しないでくれよ?」
ママンがパパンを罵る気配がしない……
や、家庭円満でそのほうがいいんだけど。
後日知ったが、ウチの駄目親父改め、パパンのシータは猟師でしたわ。出産間近のママンことエミル母ちゃんに、精の付くもの食わせよう、大物を仕留めるためしばらく山に籠もってたら、俺ちゃんが既に産まれていたらしい。
ちなみに生家は山の中にあるド田舎。
牧畜と小さな畑が主産業…というより、他にはほぼ何も無い
スローライフ求めてたから、別にこれで良いんだけどね
そんな両親の愛情を貰って、すくすくと育った俺はこの世界も満更悪くないなと思いはじめていた。
ちなみに、目が開いて親父と母ちゃんを初めて見たとき、犯罪の匂いしかしなかった。
親父→見た目35歳くらい。良く日に焼けた肌に、男臭い笑顔と茶髪に茶目の彫りの深い顔立ち。フツメン顔に毛が生えたイケてる具合かな?
母ちゃん→14~15歳くらい。ソバカスが散った、地味子ちゃん。朗らかな田舎娘って感じ。でも、えくぼがキューティーな茶目、茶髪
結婚観もド田舎の村じゃこんなものらしい。家族を養えるようになって、初めて嫁の来手が有るらしい。
親父もようやく一人前の猟師として村に貢献出来るようになったとか。ちなみに実際は25歳だった。
…老け顔だったのね
遺伝子の交換を切に願う!
それか、美の神様!我に加護を!!!