贄
「色々と思うところも有るようじゃが、せいぜい精進せいよ。人の物を掠め盗れば、楽して生きていけようしな。それと、加護を与えた手前、贄や捧げ物も気軽に受け取るぞ」
ん?【贄】?聞き流す事の出来ない単語だ。本当に色々思うところありますが、待った。ミィミ様、待って下さい。【贄】とはなんの事でしょう?捧げ物は理解出来ますが、神様方は人の生贄もやはり要求なさるのですか?
「生贄なんぞ要らぬわ。そうさな、物は試しに貴様の異界言語を捧げてみよ。もはや不要な物だろう?代わりに、何かしら対価を貴様にやろう」
え?どういう事ですか?
「何かを犠牲に何かを得る。才能の開花であったり、加護の取得であったり…まあ色々じゃな」
ミィミ様、言語はちょっと……喋れなくなったら、俺本当に赤ちゃんになっちゃいますよ。あ、精神耐性を贄として捧げます。
「分かった。代わりに違う物を下賜する。後で確認するがいい」
うわっ!
何か俺が書き変えられていく感じする。気持ち悪ぃぃ
「本来は神殿でしか行う事の出来ない行為だが、今回は特例だぞ?そして、貴様のその【祈り】は特殊みたいだな。どの神の神殿でも全ての神に祈りが通じるようじゃ」
ん?良く意味が分かりませんが…
「全てに通じるが故に、1つを選ぶ事がほぼ出来ぬ。妾やライティのように加護を与えて居なければ、指向性を持たせた祈りが出来ぬのよ。本来は神殿がその役割を果たすのだが、貴様が与えられた【祈り】はそういったものじゃ。諦めよ」
一度に色々とあって混乱してきた……
駄目だ、時間をかけて少し整理したいです…
「うむ、それが良かろう。なに、貴様はまだこの世界では生まれたばかりよ。色々と精進し、我らを楽しませよ?」
ミィミ様、色々ありがとう御座いました。後日、また教えを賜りたく思います。
そう語りかけても返事は無かった
色々思うところ………
ヤラ……殺…