鑑定
「神とは摂理。その摂理の片鱗に触れるのが加護じゃ。様々な恩寵や制約があるが、発現内容は十人十色じゃ。ただ貴様は特殊じゃがな」
どういう事でしょう?
「前世の記憶持ちというのは、なかなかに面白い駒でな。貴様、遊戯は好きか?」
唐突ですね?まぁ、社会人になる前はそれなりに嗜みましたが…
「前世持ちの輩は試行錯誤して足掻きよる。それが見ていてなかなか健気でな。時には天使共に匹敵するくらいに成長する個体も出てくる。人の枠組みを逸脱した奴は、大抵何がしかの事跡を残す。その過程は我々神にとっても、なかなかの娯楽でな」
あれ…雲行きが怪しく成ってきたぞ…
「その駒が巻き起こす騒乱は……有り体に言えば、賭博の対象でな。前世持ちは背中を押してやれば、色々と化けるんじゃよ。前世持ちが行った最初の祈りが届いた神は、必ず加護を与え、そやつの背中を押してやる。コレは……ま、神の暗黙の掟じゃな」
カカと笑っているが、この【祈り】スキルって、神様に慣れ親しむためって聞いたんですが…
「前世持ちで異界出身というのは更に特殊でな。貴様のような奴は何人か居たが、直ぐに壊れよる。10年程前に、貴様のような【えんじにあ】なる輩が【火薬】なる物を作ろうとして、発狂しよったわ。何故発火すらしないんだー、とな。そのうち頭を掻き毟り過ぎて、傷が膿んで、本当に発狂して死によったわ」
笑ってる。むしろ爆笑の気配がする…
「ヘタに文明が進んどると大変じゃな?現実を受け入れられんのじゃから」
その人は、どんな加護だったのですか?
「確か【学問と試験の神】だったかの?数式がどうたら、実験がどうたら喚いていたわ。火神の赦しなく進められるとでも思ったのか……滑稽な奴じゃったわ」
あぁ、エンジニアさんが発狂してく過程も娯楽だったパターンやこれ
アカン、この世界の神様マジで怖いわ
震えが止まらない
「さて、もう質問はいいのか?良ければ最後に、貴様の今後の道筋を付けやすいよう、貴様の能力を開示してやるわ。感謝するが良い」
そういうと、頭に直接情報が送りこまれてきた
名前:レイ
年齢:1歳
職業:--
身分:平民
体力:2
法力:2
力:1
器用さ:7(年齢により減算、基礎値は22)
素早さ:1
精神力:2(年齢により減算、基礎値は38)
運気:18
カルマ値:0
才能:近接A(短剣)、投擲B+(短剣)、弓B、法術D、天賦の器用さ、変な存在感、強運を呼び込む
技能:祈り(特殊)Lv1、精神耐性Lv2、異界言語Lv6
能力:分身Lv1、自己鑑定Lv-3、盗むLv1
特殊条件により解放された職業:トリックスター、盗賊、勝負師
加護:幻影と夢幻の神ライティ(変幻自在、千変万化)
享楽と怠惰の女神ミィミ(カルマ値取得30%up、カルマ値減少30%down。器用さ補正。強運)
輪廻転生の神の右腕的存在の部下の更にその下で1課を預かる天使ヤラ(無し)
あぁ、色々と物申したい…
神様怖いけど、色々と申し上げ奉りたい。
だが、ヤラ、てめぇは別だ。てめぇはアウトだ