ロリポップ

２話

「よ・つ・ば。な〜にボーっとしてんの？」

「ハッ。な、なんでもないよ〜。」

「ははーん。さては恋だな。」

「そ、そんなことないもん！！ってゆうか、みっちゃんと別れたし・・・。」

「あら、ごめんね。じゃー。ブルーなわけだ。」

「それがあながち、そうでもないんだよね。」

あたしの名前は新田（にった）よつば。

そしてあたしと一緒に話してるのはおかーさんの吉野静（よしのしずか）。

苗字が違うのはあたしが孤児だったから、

あたしが小学生の頃おかーさんが孤児院から引き取ってくれて、

それからあたしはおかーさんと二人暮らし。

「志望校に落ちたっていうから心配してたのによかったわ〜。」

「も〜。嫌なこと思い出させないでよ。はぁ、やっぱブルーかも。友達は華の学生生活かぁ。

あたしもオシャレして雑誌に載ったり、オシャレなカフェでセレブにアフタヌーンティー

飲んだりしたかったなー。」

「アハハハハ！あんたの辞書にもオシャレって言葉があったのね。」

「なによ〜。あたしだって、女の子なんですけど〜。」

「男子生徒に平気で鉄拳かましてるくせに。」

「時と場合によっては武力を行使しなきゃいけないのよ。それよりおかーさんごめんね。」

「なにが？」

「学校落ちちゃって、」

「何であんたがあやまんのよ。あんた、自分でお金出して、一生懸命がんばったんだから、

あたしはえらいと思うよ。」

「うん。けどさ、周りがまた噂するでしょ？」

「人は人でしょ？それでもガタガタいってきたらそん時は鉄拳で黙らせればいいのよ。」

「ねぇ、おかーさん。やっぱりあたしって、おかーさんに似たんだよね。」