勇者は、必要異常に脳筋ですが、何か?(フォード目線)
できれば、短編
勇者は、必要異常に脳筋ですが、何かを読んでから、読んでくださることをお勧めします。
話が通じません。
あの人は、馬鹿なのか?いやそんなはずはない。我々がお呼びした。勇者なのだから。
私は、浩輔様のお世話役を勤めている。フォードと言います。
私は、この頃、悩んでいます。
それは、我々の国がお呼びした。勇者浩輔様が必要異常に理解力が、乏しいと言うか・・・。
いや、きっと、私の理解力、説明力が足りないだけなのでしょう。
そう、思っていたのですが、和樹様と呼ばれる。勇者様の先生を名のる方が呼び出されて以来。私は、常識を考え直さなくてはならなくなりました。
それに、たった今目の前でやっていることは何なのでしょう。
いいか。この顔。この顔をまず覚えろ。」
彼が、指差しているのは、この国の王様の肖像画です。
私は、すかさず、注意します。
「あの・・・指を指すのは・・・」
しかし彼は、そのまま続けます。
「よし。で、次にこの顔をみたら、顔を伏せ。片膝立てる感じで。はい。フォードさん。」
「は、はい。」
ついつい、言われてやる私もダメなんですが、彼には、異を唱える隙がありません。
「いいか。この体制で。「顔を上げよ」って言われるまで上げるな。」
「なんで?」
そう、この『なんで』です。しかし、説明しても、説明しても浩輔様が理解してくれることは、ありません。
しかし、彼は、
「しらん。」
そういったのです。私は、たぶん変な顔をしていたでしょう。
しかし、この後、浩輔様が
「そっか。和樹でも知らないのならしょうがないな。」という。言葉を発せられてつい、今までの私の苦労は、なんだったのだろう。と思ってしまったのは、仕方が無いことです。
しかし、この時学習しました。例で言うと、ー私たちが息を吸って生きていくと言う常識から教えて行くくらいの勢いがないといけないのだと。
そして、私は、この後、和樹様とお話をするためにお部屋にお伺いいたしました。
「和樹様は、浩輔様のあのどう思ってらっしゃいますか?」
私は、率直にあの浩輔様の理解力のなさは、どう思っているか聞いてみました。
「ええっと、友人以上の感情は、全くありませんが。」
「へ?」
「ああ、そう言う意味じゃなくてですか?よく聞かれるのでつい・・・」
「ああ、いや、あの浩輔さまは物覚えが良くないと・・・」
「ああ、そっちですね。」
なにと、間違ったのかよくわからないが、
かれは、少し考えると喋り出した。
「私の世界っていうか。国には、天は二物を与えずって言う言葉があってですね。 神様はわれわれ人間に二つの物を与えないという意味なんですが、ここでいう「物」は才能や資質なんですけど。まあ、浩輔は、きっと神に愛されてるのでしょう。」
「はあ・・・」
私は、彼がなにを言いたいかわからず、つい気のない返事を返してしまう。
なのに和樹様は、クスッと笑うと、続きをはなし始める。
「あと、容姿も、性格もいいですし、あと、勇者に選ばれるほどの力があります。
しかし・・・・考えてください。もし、浩輔が、頭までよければ。」
私は、考えて見たことがなかった。頭の切れるあの勇者の姿をしかし、和樹様は、そのまま話を続ける。
「彼は、きっと嫉妬や妬みに苦しみ。私と言う友人には、まずいなくなります。そして、きっとあの性格にはならないでしょう。そう思いませんか?」
「そうですね・・・」
きっと、私は、嫉妬してしまうだろう。勇者としての彼の力と才能と頭脳に。それが、ただ彼のために悩んでいられるのは、彼の性格と、あの子供っぽさだ。
「ならば、馬鹿は、馬鹿でいてもらいましょう。これが彼の幸せに繋がるんです。厄災は我々が振り払えばいい・・・そう思いませんか?」
「そうですね・・・」
「もちろん。手伝ってくださいますよね。」
そういって、我々は、硬い握手をしました。
そう、わたしは、根本的から、勇者様はこの世界を理解してなかった。と言う他ありません。
逆に私が、馬鹿だったのです。
それを教えてくださった。和樹様には、頭が上がりません。
あと後日談ですが、お話をまたしようと、話のネタに出来上がったばっかりの和樹様の本を持って彼の部屋にいったら、
「なぜそれを・・・」
っと絶句なさってました。
それも、
「この本は、燃やすべきです。いや、灰にしましょう。」
言われていましたが、これは、王宮の人間ならたぶんほとんどが持っていますよ。
っといったら、小一時間くらいの固まってらっしゃいました。
どうしたんでしょうか?