雨宿りで出逢った貴女を舞踏会に誘ったら
前回投稿致しました「雨宿り中に出逢った君から舞踏会に誘われたら」のリク視点となります。
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サナに出逢ったのは家に帰る途中で大雨に見舞われた、あの大きな木の下で雨宿りしている彼女を見かけた時だった。
涙を流しながら木にもたれかかる彼女を放っておけなくて、家に連れてきたけど、その時にホットケーキを作ってあげたら、天使のような笑顔で頬張るから当然のように恋に落ちた。
あれから定期的にあの木の下でサナと逢瀬を重ねていたが、その度に気持ちは加速するばかりで、彼女のことばかり考えてしまっていた。
しかし、僕は獣人。獣人の世界では番と一緒になるという規則のせいで、周りからは理解を得られず、彼女が高校生の時に彼女に会えないよう、家族から取り図られてしまったのだ。
サナと会えなくなって気持ちが冷めたかと言えば、それは残念ながらノー。寧ろサナへの想いは高まるばかり。
だけどそもそも人間のサナとは相容れない存在の僕だ。きっともう会わない方がお互いにとって良いだろうと言い聞かせ、その状態が数年経ってしまった。
そんな長年も経過すると、僕ももう成人してしまっていた。成人した僕には近頃舞踏会へ参加しなければならない、これも規則がある。それも大切な人と一緒にというものだ。
この大切な人というのは基本的には番だが、その時まで見つからなければ好きな人や最悪家族でも良い。僕には誘いたい相手はサナ一択だった。
勿論会わない方が良いとは頭では分かっている。だけど、会いたいという気持ちにブレーキをかけられなくてとうとう直前に葉書を送ってしまった。
舞踏会は葉書を送ってから3日後。急すぎて届いているかも怪しいし、そもそも来るとは限らない。そんな中、あの木の下で待っているとサナは約束の時間通りに来てくれた。一瞬綺麗になり過ぎて驚いたけど、あの屈託のない笑顔はサナで間違いない。
だけどここで驚きの事実が判明してしまった。彼女から漂う抗えない甘い香りが、僕の番だと告げたのだ。今まで種族の違いや年齢で分からなかったけど、運命の相手だと分かると、もう手放したくない気持ちで溢れてしまう。
僕の瞳と同じ色のドレスを着せて舞踏会を向かうと、誰もがサナに釘付けになっていた。そんな最高に美しいサナと一緒に踊れた僕は誰よりもその幸福に浸った。
舞踏会を終えて僕の家に招き入れると、もう耐えきれずに獣人だと明かした上でプロポーズをしてしまった。断られると覚悟したけど、返事はイエス。獣人の僕を受け入れてくれた。
サナ、最高に素敵なギフトをありがとう。
前回の作品をローファンタジーとしたため、今回もローファンタジーとさせていただきました。
また、前回はキーワードの関係上「年賀状」としましたが、今回は雰囲気を崩さないために「葉書」とぼかしました。




