ハードプロブレム
第5章 ハードプロブレム――なぜ感じるのか?
従来の問題設定
ハードプロブレムとは:「なぜ物理的な脳活動から、主観的な体験が生まれるのか?」
従来の議論では、物理(脳の神経活動)と主観(赤さの感じ)の間に「説明できない断絶」があるとされてきた。
本理論による解決
**クオリアは「ズレ」として必然的に生じる。**
1. 脳は外界の情報を記憶として蓄積する(物理過程)
2. 新しい情報が入ると、過去の記憶と重ね合わせようとする(情報処理)
3. しかし記憶は完全には一致しない(時間・文脈・状況が異なる)
4. その**「一致しきれないズレ」が、クオリアとして立ち上がる**
つまり、クオリアは「何か特別なものが付け加わった」のではなく、**情報処理の構造上、必然的に発生する現象**である。
具体例:赤いリンゴを見る
**従来の問い**:なぜ特定の波長(物理)から「赤さ」という感じ(主観)が生まれるのか?
**本理論での説明**:
1. 目に入った光の情報が記憶として蓄積される
2. 脳は過去の「赤いもの」の記憶と重ね合わせようとする
3. でも、今見ている赤は過去のどの赤とも完全には一致しない(照明、角度、文脈が違う)
4. その**「一致しきれないズレ」が、今この瞬間の「赤さの感じ」として立ち上がる**
5. このズレ(クオリア)が「もっと見る必要がある」という信号となり、注意を向ける
物理から主観への連続性
従来の二元論:物質(脳)⇄ 意識(主観)→説明できない断絶
本理論の構造:
1. **意志**(物理的運動)
2. **思考**(記憶の重ね合わせ=情報処理)
3. **クオリア**(ズレから生じる感じ)
4. **意識**(焦点の選択)
物理から主観への「飛躍」ではなく、**段階的に連続した層**として説明できる。
この説明の意義
- **物理と主観を別物として扱わない**:ズレは情報処理の必然的な結果
- **クオリアの機能を説明できる**:なぜ感じが必要なのか(学習のフィードバック)
- **検証可能性がある**:記憶の重なり具合とクオリアの関係は実験できる可能性
- **AIとの違いも説明できる**:AIは記憶を「重ねる」が、ズレを「感じる」仕組みがない可能性




