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チャイと時枝ヒカル君  作者: 河村諭鳥
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青春編4

次の日の昼頃、チャイが窓から凄い勢いで入ってきて、


「大変だヒカル、美咲ちゃんが!!!」


と、大声で言ってきた。


「な、なに!?」


と僕も驚いて身構えてると、


「男に告白されてたー!!!」


と言った。


「で!!??」


と、聞くと、


「で、断ってた!」


「なんだ一良かった!」


僕はホッとして力が抜けた。


「良かったじゃねーよ! おめー! 1日3人の男に告られてんだぞ!図書館に入る時に1人目、途中でお昼買いに出た先で2人目、最後に帰る時に3人目!!! いつか絶対誰かが落とすって!!」


「大丈夫、僕がその誰かになるから」


「は?お前今の話ちゃんと聞いてたか?


「聞いてました。で、その図書館の場所は?何時頃に彼女は来たの?」


「場所は彼女の家から歩いて10分位で、結講でかい図書館で、10時頃来てたかな な?大きなリュック背負って入ろうとして、入口の前で呼び止められて、告られてたけど、断ってそのまま中に入って行った」


「大きなリュック、てことは勉強しに行ったのかな?何時に昼御飯行った?」


「1時位かな?1回出てきて、コンビニ行く途中でまた別の男に声掛けられて、また告白されてた」


「なるほど、図書館の何処に行ったか分かる?」


「うーん、2階の窓際の席にいた気がする。図書館の前にでかい木があってそれに登って見てたから、遠くからしか分かんなかったけど、彼女らしき姿の女の子が、窓際の机にずっと座ってて、ノートか本を開いてたかな?で、夕方5時頃図書館出る時に3人目から告白されたけど、断ってそのまま帰った」


「なんて断ってたか分かる?」


「うん、今は勉強したいから?とか言ってたかな?」


「そっか、全部そんな感じで断ってた?」


「うん、全部同じ様な理由で断ってた」


「うちの学校の生徒かな?」


「うーん、どうだろ?皆私服だったし、俺は見た事ない顔ばっかりだったな」


「なるほど~昼間の図書館とはいえ、知らない男が女子高生にあんまり急に声かけたりしないよ ね。彼女の姿を何回か見かけて、可愛いと思って、タイミング見て告白してるか何度か話してるかだよね。もしそうなら、彼女はこの図書館によく来てるって事か?」


ヒカルはぶつぶつ言いながら、携帯で図書館の場所を調べた。


「ここかぁ。ここなら自転車で行けそうだな」


「行くのか?」


「うん、ここなら自転車でも行けるし、同じ学校の人にあんまり見られる事も無さそうだし、一人なら声掛けやすいし。市街のショッピングモールだと、うちの制服の人間で一杯だ からね。ついでに一緒に勉強も出来るかもしれないし、上手くいけば教えて買えるかも」


「そうだな。でも見た所、愛想は良いけどガード固そうだぞ」


「うん、でもとにかく頑張ってみたいんだ」


「本当に好きなんだな・・・彼女の事」


「まあね。よし、来週の日曜日、図書館行ってみる!!」


「あーあ、その熱意を少しでも勉強に向けてくれたら、父ちゃんんも母ちゃんももっと喜ぶのにな」


「何言ってんの、二度と無い青春だよ、謳歌しなきゃどうすんの?」


「この前の中間試験の英語、ギリギリだったんじゃねーのかよ」


「いいの、赤点じゃないんだし。日本人なら日本語喋れたら十分でしょ。てか、何で猫にそんな事言われなきゃいけないの!?」


「そっちから言ってきたんじゃねーか!『どうしようチャイ! 英語全然分かんないよ!今 回は赤点じゃなかったけど、これから3年間も英語なんかやれる自信ないよー!!』って猫の俺に泣きついてきたくせに」


「そんな事言ったっけ?」


「言っただろ!!!俺、何で猫なのに人間の高校生の中間試験や、期末試験の事まで詳しく理解しなきゃいけねーんだよ!」


「友達なんだから、それ位理解してよ」


チャイは少し沈黙した後、


「ていうか高校受験の時、英語無かったのよ?」


「あったけど、うちの学校そんなにレベル高く無いし、特に英語は簡単だったから、 ここを選んだんだ」


「ふーん。まあ頑張れよ」


「うん」


と言ってチャイは水を飲み、御飯を食べ、そのまま寝床についた。


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