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キラーB  作者: 獅子奉篁
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うだるような暑さは、連日続いていた。


ここ、御徒町動物園も例外ではない。

熱帯やサバンナなど赤道付近の地域から連れてこられた動物もいるが、さすがにこの暑さでは屋外のほとんどの動物はばてて、寝そべっている。


それでも、午前中はまだマシである。

正午を過ぎると、暑さはピークへと近づく。

さらに、この日は平日ということもあって、客の入りはまばらで、訪れた人たちは、めいめいが好きな動物をのんびりと見ている。


そんな中、一人の男がガラス張りの檻の前に座り込み、目の前の動物をスケッチしていた。

檻の内側は広く、熱帯のジャングルを模しており、邪魔にならぬ程度に樹木が植えられ、水辺には人口の滝が設けられている。

その中を、数匹の巨大な虎が悠然と動き回っていた。


檻の前に座り込んだ男は、30代前半ぐらいに見える。

中肉中背。黒い帽子にサングラス、シャツもスラックスも同じ色で、全身黒づくめである。


男は、片手にスケッチブックを持ち、もう一方の手で筆を走らせている。

その手にも、黒いレザーの手袋をしていた。


この風貌は、動物園とはかなりのミスマッチで、近寄り難い雰囲気を醸し出していた。

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