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驚きの声を上げたのは、徳丸だけではなかった。
「巨大な生物って、どういうことですか?」
「それは捕まったんですか?」
記者たちが次々に声を上げ、騒然となり、静まるまでにしばらく時間を要した。
「被害者の上半身、特に頭部が溶けかかっておりまして、つまりは、消化されていたらしいんですな」
中田は、なんとも説明しづらそうに言った。
記者たちはざわめき立ち、もはや収拾がつかなくなっている。
「あと、まあ、付け加えますが、これもまだ検証段階なので、よくわからんのですが・・・・・・、どうも、何かの生物毒による被害を受け取るらしいんです」
「なにぃ!」
徳丸が声を発すると、
「生物毒ー!」
コンマ数秒遅れて、その場に居合わせた記者たちも一斉に声を上げた。
「物証はあったんですか!物証は!」
徳丸が大きな声を上げた。
先程までの精彩を欠いた顔が一転し、目はぎらついている。
横にいる里奈は、徳丸の変わりように驚いていた。




