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「あなたがいる部屋の床の上に、紙が何枚か落ちていると思います。
その中に1枚、二つ折りのものがあります。
そこに描いてあります」
おかしなことを言う・・・・・・。
早坂は思った。
だが、激痛と恐怖がその疑念をどこかにやってしまった。
早坂は床の上に目を移した。
知らぬ間に、白い紙が散乱していた。
「どれだ?どこに病院の番号が書いてある?」
早坂は床に両膝を立て、左手に持ったスマートフォンを耳に押し当てたまま、散乱している白い紙をまさぐった。
傍らでは、何匹ものガラガラヘビがとぐろを巻き、尾の器官から警戒音を発している。
あまりの痛みに、涙が止まらない。
「あ、あった」
早坂は、2つ折りになっている紙をみつけた。




