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「ガ、ガラガラヘビに咬まれると、どうなるんだ?」
早坂がスマートフォン越しに訊いた。
「毒が回って死ぬことになるでしょうね」
女は、あっさりと言った。
「な、なんだと!」
早坂の顔が青ざめた。
しかも、咬まれた時には、チクッとした針に刺された程度だった痛みが、今は激烈なものとなり、呻き声を上げずにはいられなくなっている。
さらに、3匹目、4匹目のガラガラヘビが、倒れている早坂の手や足に咬みついてきた。
恐怖と激痛のあまり、早坂は気も狂わんばかりになっていた。
「頼む、何とかしてくれ、このままでは、グワッ」
ガラガラヘビは、次から次に咬みついてきた。
すでに、早坂は立ち上がることすら出来なくなっている。
「あなたのために、出血毒を持つガラガラヘビをたくさん用意しました。
よかったですね、神経毒を持つ蛇よりも、ずっと致死率が低いんですよ。
ただし・・・・・・、死ぬまでは、痛みのために猛烈に苦しむことになりますけど」
淡々とした女の口調の中に、強い怨念のようなものが感じられた。




