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「何だ、こいつらは?
どうして俺の部屋に?」
何匹もの蛇が絡み合っていた。
しかも体が長いので、見ただけでは一体何匹いるのか分からない。
相変わらず、ジーッという音が蛇たちの間から聞こえていた。
しかも、音を出しているのは一匹二匹ではなかった。
絡み合って塊のようになった蛇たちは、黒く先の分かれた舌を時間差で代わる代わる出したり引っ込めたりしている。
自慢の庭が見渡せるお気に入りの部屋に、何匹もの蛇が入り込んでいる。
有り得ない事態に、早坂の思考は混乱し、冷静な判断を下すことが出来なくなっていた。
「ええい、突破してくれる」
早坂は、蛇には構わず部屋から出ようとした。
もし蛇が攻撃してくるなら、スリッパを履いた足で踏み潰してくれる。
早坂が足を踏み出した丁度その時、スマートフォンの向こうから声が響いた。




