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「な、なんだ、これは?」
部屋の窓枠を止まり木として、見たこともない鳥が止まっている。
灰色がかった体に顔、黒い翼、襟元も黒く、頭部には冠のように幾枚かの黒い羽根が立っている。
それにしても大きい。
上空を滑空するというイメージとはやや異なる、がっしりとした体躯で、重量感がある。さらに、両脚と三本の恐竜のような爪は、体に不釣り合いに太い。
恐れ慄いた男は、鳥から目を離さずに立ち上がると、部屋の中を反対側の壁に向かい、ゆっくりと後退した。
その巨大な鳥は、何故かクチバシにコピー用紙のような紙を数枚、咥えている。
ひどく動揺している男は、それに気づくことは無かった。




