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「こちら、沢田里奈君だ。
今日からウチで働いてもらうことになった。
まずは、雑用も兼任ということで、よろしく頼むよ」
デスクの神田は、そう言って徳丸の方を叩いた。
「沢田里奈です。
今日からこちらで働かせていただきます。
よろしくお願いしますっ」
女の子は、元気のよい声でそう言うと、初々しく頭を下げた。
「デスク、小学生を風俗で働かせちゃまずいですよ」
徳丸は、神田の耳元で言った。
「誰が小学生だよ。
それに、何だ風俗って。うちはれっきとした出版社だぞ。
扱ってる題材はあれだけども」
「冗談ですよ」
沢田里奈は、このやり取りをきょとんとした顔で見ていた。




