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啓示社は雑居ビルの3階4階をオフィスにしていた。
ビルはかなり古く、耐震の問題でいつ取り壊されてもおかしくない。
2つのフロアのうち、4階が編集部となっていた。
壁や床はコンクリートが剥き出しになっており、社員に割り当てられた鉄製の古い机は、一部錆びついていた。
その編集部に、徳丸が出社してきた。
すでに午前10時を過ぎていたが、これがいつもの徳丸の出社時間である。
年季の入ったエレベータを降り、編集室に入った徳丸は立ち止まった。
「誰?」
目の前に知らない女性が立っていた。




