335
翌日、堀田は徳丸と里奈のいる啓示社を訪れた。
堀田は大きな包みを脇に抱えていた。
その姿を見た徳丸が、すぐに近づいてきた。
「や、堀田さん、おつかれさまです。
それは何です?食いもんですか?」
「警察の人間がそんなもん持ってくると思うか?」
堀田はぶっきらぼうに言った。
「事件は大方解決したって聞きましたが、真相は何だったんです?
まったく公表されてませんね。
玉川はズグロモリモズの毒で殺されたんですよ。
稀崎映美は、本当にスカートの中にあんな危険なもの隠してたんですか?
それに稀崎映美は今どうしてるんです?」
「悪いが、詳しくは話せん」
「そんな、ひでえなあ。ウチだけに教えてくださいよ。
いろいろと協力したじゃないですか。
桐原ってヤツが連続殺人犯、キラーBだったんですか?」
「何だよ、そのキラービーって。
ああ、あれか、おまえの造語か。
今日は別の件で来たんだ。
あの里奈って子いるかい」
徳丸は里奈を呼び出した。
堀田を前にした里奈は、何も言わず頭を下げた。
堀田の希望で、堀田と里奈は社の会議室で2人だけで話をすることになった。
「2人きりにして大丈夫なのか?」
2人が会議室に入った後、徳丸がすぐ側に立っている行橋に言った。
「大丈夫ですよ、徳丸先輩じゃないんですから」
「俺はあんな小娘なんかに手は出さねえよ。
だが、万が一、堀田さんがロリコンで、おまえのような幼児フェチだったらヤバイと思ってな」
「誰が幼児フェチですか、誰が。
そういうデマを広めるのはやめて下さい。頼みますよ」




