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キラーB  作者: 獅子奉篁
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334

病院を出た堀田は、あの夜のことを思い出していた。



救急車が病院に到着した後、白井と安永あかりはすぐに担ぎ込まれた。

里奈は入ってすぐの待合室に残され、堀田が医師や看護師らとともに

付き添った。

すでに2人とも昏睡状態に陥り、危険な状態だった。



2人を咬んだ蛇について尋ねられた堀田は、白井を咬んだのは『ブラックマンバ』、安永あかりを咬んだのは『インドコブラ』とメモを見ながら告げた。

すぐさま2人にそれぞれ違う毒蛇の血清が打たれた。

結果、白井は一命を取り留め、安永あかりは死んだ・・・・・・。



実は堀田は、安永あかりを咬んだのは、白井に咬みついた毒蛇と同じものではないかと考えていた。



里奈のすぐ近くを2匹の蛇が取り囲んでいた時、堀田は秘かに蛇を観察していた。

2匹は絵の具を塗られていたため色は違っていたが、それ以外は同じもののように見えた。



だが安永あかりは自分を咬んだ蛇は『コブラ』だと言った。

堀田にはそれが唐突に感じられ、安永あかりが嘘を言っているように思われた。



しかし、安永あかりの言を覆し、同じ蛇の名を病院で言うことは出来なかった。



はっきりとした確証が無いというのもあった。

勝手なことをして自分に責任が及ぶことへの恐れもあった。

しかし、それ以上に堀田の心の中を占めていたのは、別の思いだった。



「本人の望み通り、死なせてやりてえと思ったのかもしれねえな」



堀田は声に出さずに言った。



「とにかく、これは俺が1人で墓場まで持って行く話だ」



堀田はそう呟いた。

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