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キラーB  作者: 獅子奉篁
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322

ついて来た記者たちは、刑事たちの後を追って女子トイレに入ろうとした。



「てめえ、何してやがる!」



篠原はそのうちの1人の襟を掴むと、思い切り突き飛ばした。

勢い余って、後続の記者数人もドミノのように倒れた。



「警察が暴力を振るったぞ!

ワイドショーで取り上げてクビにしてやるからな!」



倒れた記者の1人がヒステリックに叫んだが、刑事たちはまったく相手にしなかった。



女子トイレに入った刑事2人は、血の跡が続く個室の前に居た。

1人が扉を軽く叩いた。



「居ますか?居たら返事をしてください」



抑えてはいるが、興奮した声だった。

しかし、中からの返事は無い。



刑事はドアノブを回した。

内側からカギがかかっており、ガチャガチャとした音だけが響いた。



「開けなさい、返事をしなさい」



刑事はなおもドアノブを回した。

しかし、中からの反応は無い。



「かまわん、中に入れ!」



篠原がトイレの入口に立っていた。

扉の前の刑事2人は顔を見合わせた。



「どちらかを持ち上げて、上から中を見ろ!」



篠原の大声がトイレの壁に反響した。

1人が扉の上に両手をかけ、その刑事の腰の辺りをもう一人が両手で抱え込んで持ち上げた。

ようやく、個室の中が覗き見れる態勢になった。


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