表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キラーB  作者: 獅子奉篁
299/341

299

「この虎の絵は?」



私は1枚の絵を指差し、彼に尋ねた。

そこには堂々した虎が描かれていて、今にも動き出しそうに思えた。



「え?」



「この虎も絵を抜け出すの?

私が見た蛇のように」



「ああ。抜け出すよ。僕がそう念じればね」



「だったら、これも使えるんじゃない?

奴らを殺すのに」



私には、虎の方が役に立つのではないかと思えた。

少なくとも、あの夜の毒蛇よりは。

しかし、彼は首を横に振った。



「その絵と同じ大きさにしかならないんだ。

それだと、せいぜいウサギか小さな猫ぐらいで、そんなサイズの虎が現れたところで、たいして役には立たないよ」



「そうなのね」



彼の話を聞いた私は落胆したが、そのまま魅入られたように描かれた虎を見つめた。

そして、自分でも何故かわからないけど、その虎に念を送っていた。



「動け!動きなさい!」



私は強く念じた。

次の瞬間、私はヒャッと声を上げ、床に尻餅を着いていた。



虎は絵から抜け出していた。

でも、その大きさは、キャンバスに描かれていたサイズではなかった。

私の目の前には、実物と変わらない大きさの虎が立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ