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「後になって、男たちの頭につけられていたカメラが回収され、絵から蛇が抜け出す動画を玉川たちが見た、というわけですね?」
堀田が尋ねると、安永あかりは「多分」と言い、うなずいた。
「そうか。その後、玉川から杉尾副総監に連絡が入り、主任と私に絵描きを探すよう命じたのか」
白井が言うと、
「その情報を掴んだ玉川が殺し屋を雇い、桐原さんを殺した」
堀田が沈み込むような声で言った。
「私が桐原さんのことを喋らなければ」
里奈は悔しそうに唇を噛んだ。
会見場では、玉川の話がまだ続いていた。
自身のこと、会社のこと、稀崎映美との出会い、さらには彼女との未来について。
まるで自社ブランドのプレゼンをするかのように、玉川は両手を広げて大げさに話し続けた。
「いつまでくだらねえ自慢話してやがんだ」
広い会場の奥では、徳丸のイラつきがマックスに達していた。




